ランウェイ！【Kotaki.HBD】 (ページ17)

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数日後。
A先輩から
「相談したいことがあるから、うちに来れないかな？」
とメールが来ていた。

なんだろう、と思いつつも承諾の旨のメールを送る。

今日は朝から色々とおかしかった。

今日は俺の誕生日のはずなのに、そしてそれをA先輩はもちろん、重岡とか流星にもちゃんと伝えてるはずなのに、全くお祝いのメールが来ない。

もちろん来るのが当たり前だと思っている訳では無いど、少し期待してしまう自分がどうしてもいるわけで、残念だと感じてしまう。

昼休み、大学の食堂に行くと、いつもは必ずと言っていいほど俺に奢らせてくる重岡が今日は「今日はこれで終わりやから、じゃ！」
とめちゃくちゃ急いで帰って行った。

極めつけは流星。
今日も一緒の楽屋で撮影を待っていたのだが、ずっと時計を見つめて何やら時間を気にしてる様子。
いつもならそんな時は俺が「何か予定でもあるんか？」と聞けば答えてくれるのに、わざとらしく目を逸らし、口ごもる。
そして仕事が終われば俺から逃げるように帰って行った。

…俺、誕生日なのになんでこんなに避けられなあかんの？

そう思いながら帰りの支度をしている時にA先輩からメールが来た。
「誕生日おめでとう」の一言でも書いておいてくれればよかったのに、どこにもそんな文章は見当たらず。

忘れられたのか、と思いながらとぼとぼとA先輩の家に向かった。

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A先輩の家の扉の前に立つと、何やらガヤガヤと騒がしい。
何だ、と思いつつもインターホンを押す。
…なんや、俺だけとちゃうんか。誕生日なのに。

としょぼくれていると、インターホンから聞こえるのは、先輩の嬉しそうな声。

「あ、きたきた！入っていいよ～！」

迎えにも来てくれないのか…と思いながらドアを開ける。

中に入っても、何故か電気は点いてない。
なんで？と思いながらリビングに向かう。
リビングの灯りも点いてなくて不審に思いながらもドアを開けた瞬間。

パン！パンパン！

と何かが割れたような音がした。

びっくりして、咄嗟に心臓に手を当てる。
そのままの姿勢で固まっていると、電気が点いた。

「誕生日おめでとう！！」
と言うのは、A先輩と…流星と重岡。