short stories ＝雪つめあわせ＝ (ページ24)

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「両方、前彼のじゃないよ？」

「はぁ？アレも？」

「スウェットはメイクのユキちゃんが遊びにきた時に
使ってもらう奴だし下着は父や弟が泊まりにきた時用に
母が買い置きしてるヤツだよ？さすがにもう無いよ」

「前はあったんだ、」

「まぁ、そりゃ」

「ふぅん、」
って更に不服そうな顔をする。
……イヤ、翔太君だってきっと居たでしょ？

部屋にあるんじゃ無い？
ちょっと納得いかないな、とか考えてたら、
スッと手を引っ張られ抱きしめられた。

イヤ、素肌…下半身、
ちょっと、あの…ってアタフタしてたら

「なんなの、その可愛い反応」

って笑うから、
なんか悔しくてちょっとムッとしたら

「イヤ、そこは負けず嫌いを発揮するとこじゃねーわ」
ってまた笑う。

…だって。

「じゃ、Aさん、お布団いこっか」

って可愛く笑ってヒョイと抱き上げると歩き出した。

え？やだ、抱っこ？怖い…。
思わず回す腕に力が入る私に

「やべー、めちゃ可愛いーわ」

ってチュッと頬にキスをする。
ヤダ…ヤバ、甘い。甘すぎる。

部屋を開けベッドにそーっと下ろされて、
その体制のままでキスをする。

だんだん深くなって息継ぎがやっぱりうまく出来なくて
追いつかなくて溺れたみたいになる。

そんな私を嬉しそうに見つめ微笑んで

「……A？」
って呼び捨てて、頬を親指でするりとひと撫ですると、
顔を首元に埋め抱きしめた。

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