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軽く何回か触れるだけのキスの後、舌で唇をノックされ
軽く唇を開くとヌルリと舌を絡めて深くなってくから、
ついてくのに必死。
そんな私をキスを重ねながら笑うからイラっとする。
慣れてる感じが、もっとヤダ。
……妬ける。
絶対言えないけど。
チュッってリップ音をさせ離れると
「んは、すげー真っ赤」
って頬をプニプニと摘む。されるがままで。
だけど、不服だという意思表示に胸元を軽く押すと、
その手を掴まれた。
「Aさ、ん？」
「ん？」
「……会いたかったよ。
でも会ったらなんか照れ臭くて…
Aさんの気持ち確かめるっつーか、
言わせたくて……
ゴメン、Aさんだけじゃねーから。
…俺も、すげー会いたかった」
「ん、なかなか連絡出来なくてごめんね」
「ううん、仕事だから仕方ない……って、言い聞かせてた」
そう言って困ったように呟いて小さく笑うと
私を抱き寄せて
「結構、限界だった」
「…翔太、くん」
「今日、泊まってってい？」
「ん。…私の全部、翔太くんのモノにして」
さっきはあんなに言えなかった言葉が
今はすんなり口をついて出る。
シャワーを浴びて髪を乾かしている間に翔太君が入る。
一応、と買い置きの新しいパンツと
ユキちゃんが泊まりに来た時用のスウェットを出しておく。
…と。
タオルを腰に巻いて出てきた…、え、スウェットは？！
「分かんなかった？」
「わかったけど、いらね」
「へ？なんで？」
「は？なんでってなに？は？」
って意味わかんない、って顔をした翔太くんが
「なにが悲しくて前彼の使わなきゃなんねーんだよっ！」
って拗ねた様に言われたけど…イヤ、違うし。
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作者名：もここ
| 作成日時：2022年6月14日 3時
