その美刀、視点 ページ11
ｓｉｄｅ一期一振
主殿が司鬼殿の様子を見に行くようにと誰かを指名するとき私は迷わず手を上げた。
用意した桶と手ぬぐいを手に、手入れ部屋で寝ているだろう司鬼殿の元へ行く。
ガサ……と、体を起こす音が聞こえ、襖を開けようとしたとき、
『傷がない……？……凄いな。本当に直るのか……』
────其れはまるで、今まで手入れを受けたことがないような、言葉だった。
襖を開けようとしていた手が、憤怒で止まる。
彼の前の本丸の主は一体どんな奴だったのか…
何とかその気持ちを外に出さないようにし襖を開ける。
「ｯ嗚呼、司鬼殿。お体は大丈夫ですかな？」
襖を開け、見えた司鬼殿の姿に息を飲んだ。
まだ、状況の理解が出来ていないのか、とろんとした紅い瞳に見つめられる。
『ｯええ。ありがとう御座います。もうだいぶ楽になりました。……』
儚げな微笑を浮かべて答えると司鬼殿はゆっくりと立ち上がった。
「あ、いきなり立ち上がらなくても大丈夫ですよ。」
私がそう言うと、司鬼殿は真っ直ぐに私の目を見て
『……すみません。一期殿…。わたくしの、…名を呼んでくれませんか…？』
と、云った。
─────その言葉は私には重すぎた。
酷く儚げに今にも壊れそうに云う姿はまるで、自分の存在を確かめようとしているようで………
『あ、あの。さっきのは気にしないで───』
そう言いかけた司鬼殿の言葉を遮って
「ｯあなたは…貴方は…！“司鬼夜蝶”殿です！誰が何を言っても変わりません！！」
司鬼殿の心に少しでも響くように、司鬼殿の手を握って、何時もは出さない程の大きな声で言った。
『………ありがとう、ありがとう御座います。』
それに、司鬼殿は花が綻ぶように美くしく、儚げに、笑んだ。
嗚呼、彼はきっと、人だけでなく、【刀狂わせ】の刀だ。
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まゆ(プロフ) - 刀剣乱舞って刀剣たちが亡くなってしまう時って刀は折れるから死んだかどうかってすぐ分かるんじゃ？ (2019年10月14日 8時) (
レス) id: 60ba35ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
紫綺(プロフ) - 蒼さん» ご指摘ありがとうございます！そうなんですか…すみません、私の確認不足でした…!直させていただきます。返信遅くなってすみません！ (2017年5月18日 0時) (レス) id: 3e12735ed2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - コメント失礼します。質問なのですが、朱隠しの歌詞を載せてますよね。その歌詞って作詞作曲者様に許可を取っていますでしょうか？許可無しで載せていましたら消してください。占ツクの規約で無断転載は禁止されてます。お気をつけください。応援してます。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: afd5471fbc (このIDを非表示/違反報告)
紫綺(プロフ) - 菜奈実@歌い手､声優､アニメ大好きですさん» ありがとう御座います！そう言っていただけて嬉しい( ´艸｀)です！シリアス多めにぶっ込みましたが、そういったネタも入れますよ！←← (2017年3月13日 21時) (レス) id: 3e12735ed2 (このIDを非表示/違反報告)
紫綺(プロフ) - 三色だんごさん» コメントありがとう御座います！ﾄﾞｺﾞｫ…そうですね笑何故かそういうイメージが…←←是からも宜しくお願いします！！ (2017年3月13日 21時) (レス) id: 3e12735ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫綺 | 作成日時：2016年12月19日 19時
