知らない11 ページ12
「…なあ、トン氏。訊きたいことがあるんだが…少しいいか？」
「ああ、ええよ。どしたん？」
「……Aは、普段から肉体的な暴力を受けているか？」
狭い社長室に凛とした声が響いた。
続くようにして、ん〜、とういうような低い男の唸り声。
片方の赤いマフラーをつけた男が、立派な革製の椅子に座る男を見つめる。どうやら返答に困っているらしい。眉間にシワを寄せていた。
「俺の知る限りでは特にない、筈やけど…もしかしたら、一部から受けてるかも知れへんな。」
「っそれは、本当か！？」
先程まで椅子に座っていた金髪の男が、一方の男からの返答で勢いよく立ち上がる。ギシッと椅子が呻き声を上げた。
慌てて立ち上がって、再度質問を投げかけた男に、赤いマフラーをつけた男は一瞬驚いたあと、また直ぐに悩ましい表情に変わる。
「……なんとも言えへんな。俺は少なくとも、今までも肉体的な暴力は振るってこなかったけど、他の奴らが振るってないとは言い切れない。」
「…そうか、なぁ。トン氏。」
「……なんや、グルさん。」
赤いマフラーの男の言葉に、金髪の男は顔を悲痛に歪めていた。きっと、それほど話題に乗っている彼女のことを大切に思っているのだろう。
段々と男の手元の珈琲から出る湯気が、少なくなって行く。遂には湯気が出なくなってしまった。さめてしまったのだろうか。
「無理を承知した上で言わせてもらう、どうか、どうかAを普段から守ってやることは出来ないだろうか。」
「…ははっ、何言ってんねん。」
「……すまない、」
「ちゃうちゃう、そうやなくて。可能に決まってるやろ？
信じられないかもやけど、俺も少しはAは陥れられたのかも知れないって思い始めてんねん。…まだ、確定やないから、なんとなくやけどさ。」
怯えるように、縋るように頼みごとをした男に、赤いマフラーが特徴の男は嬉しそうに、且つ安心したように微笑んだ。
それは彼にとってはYESのサインであり、もう一方の彼にとっては希望の光。
そして二人は、「それ」を盗み聴きしている人物がいることは露知らず。
再び珈琲と紅茶を淹れ、仕事に取り組むのであった。
「へぇ〜…そういうことかぁ。」
――――――
モブです。
正直課題とか燃やし去ってやりたいです。(何の関係もない)
…社内で赤いマフラーつけるっていいんですかね。
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ネオンムーン(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます。とても嬉しく思います。 (2020年6月29日 5時) (
レス) id: cbec7e84fa (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 一人一人皆さんすごいです！だから私は私他の人は他の人ということで！気にしなくで大丈夫かなって思います！上から目線て失礼しました(笑) (2020年6月29日 1時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
モブＡ(プロフ) - 闇夜さん» コメントありがとうございます！いやぁ皆さん凄いですよね、置いてかれないよう頑張らないとです…！これならも精進していきますのでどうぞよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年6月28日 23時) (レス) id: b95d8c05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンムーン(プロフ) - 闇夜さん» あ分かりましたー！直しておきますね！ありがとうございます！ほんと皆さん凄いですよね…。それに比べて私は……。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: cbec7e84fa (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！ちょっと白色のセリフが読みにくいかな〜なんて…ごめんなさい！これからも応援してます！ (2020年6月28日 22時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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