No.56【JIN Side】 ページ7
Aが居なくなってからずっと、なんとなくだけど嫌な予感はしていた。
それがまさかこんな形になるなんて…
HS「Aが歌ってる歌って…」
テレビの中のAは今まで見た事もないような派手な洋服を着て、カメラに向かって歌っていた。
しかもその歌は、
「FAKE LOVE」
俺達にくれた歌だった。
なんで、その歌を歌ってるんだ？
なんで、俺達の前にいないんだ？
なんで、アイドルなんかやってるんだ？
俺の頭の中はずっとAに対する疑問がグルグルとループしている。
YG「ヒョン！アボジが帰ってきました。」
テレビの画面から目を離せない俺に代わって、ユンギがアボジに連絡をしてくれた。
急いで帰ってきたせいか、アボジはすごく乱れていて。
そうして、厳しい目で俺たちを見据えると、さらに辛い現実を俺達に突きつけた。
SU「この中のAは、俺たちの家族じゃない。」
…一体どう言うことだろうか。どう見てもテレビに映っているのは、俺たちの妹のAだというのに。
全く動かない頭を頑張って回転させながら、俺はそんな事を思う。
もう。考えることを身体が拒否しているようだった。
TH「アボジ！どういう事ですか？！」
テヒョンが叫び声をあげる。
他のみんなも焦った顔をして、アボジに説明を求めていた。
だけど、なぜか俺はアボジの顔を見ることが出来ない。
もう、なんでもいいからAが帰ってきて欲しい、
俺が願うのはただそれだけで。
Aの過去とか、どうでもいいからただAに会いたかった。
SU「俺も色んな人に聞いて回ったけど、Aについての情報はほとんど分からなかった。だけど、今俺達がみているAの苗字はキムじゃない。…そして、Aが所属している事務所の社長の…実の娘だそうだ。」
…こんな時、長男の俺が1番しっかりしていなきゃ行けないんだと思う。
だけど、もう無理だ…。
どんどん知らないAになっていく妹を見て、俺はもうどうすればいいんだ。
アボジの言葉に俺達はみんな、項垂れるしかなかった。遠い人間になってしまったA。
もう、俺達に出来ることは何も無い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 628人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです！ (2020年5月15日 10時) (
レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます！ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます！！！！感激です…！ (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘塩爺 | 作成日時：2019年12月27日 12時
