No.68 ページ19
「…どうして、あんな事言ったの？」
あたしは“あたし”に尋ねる。
『…あなただけ幸せになるなんて許さない』
“あたし”は鋭い目付きであたしを睨む。
だけど、もうあたしはそれには怯まない。
「あなたとあたしは同じだよ。」
“あたし”が少したじろぐのが分かる。
「彼らはあたし達を愛してくれる。」
『うるさい！！あたしは、！』
「もう、幸せになっていいんだよ」
『うるさいうるさいうるさい！』
“あたし”は幸せになんてなってはいけない。
そんなの嘘。
だってあたしには…
「もし、あの写真が出回ってもきっと彼らはあたし達の元から離れる事は無い。…あの人みたいに。」
『…っ、黙れ！！』
「彼らがいる。」
━━━━━━━━━━━━━━━
パッと目を覚まし、目覚めの悪い朝に嫌気がさす。
もう、今のあたしと昔のあたしの境目がよく分からなくなっていた。
「…チッ」
舌打ちをして、ベッドから起き上がり部屋の扉を開ける。
そこには案の定、彼がいて。
不気味な笑みであたしを出迎える。
…彼がいる限り、あたしが幸せになることはない。
みんながいなくならない保証なんて、どこにもない。
母に捨てられたあの日に決めたんだ。
もう何にも期待しないと。
家族も自分も。
…生きる事も。
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです！ (2020年5月15日 10時) (
レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます！ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます！！！！感激です…！ (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘塩爺 | 作成日時：2019年12月27日 12時
