No62【JUNGKOOK Side】 ページ13
翌日、アボジに連れられるようにしてやって来た、Aヌナの事務所。
…この扉の向こうにヌナがいる。
そう思うと何故だか気が重くなり、なかなか扉を開ける決意が出来ない。
あんなに会いたかったのに、いざ会えるとなるとどんな顔をして会えばいいのか分からなかった。
JN「…じゃあ開けるよ。」
それはヒョン達も同じなようで、ジンヒョンが声をかけなかったら、多分みんな誰一人開けようとしなかったと思う。そのくらい、俺達の周りの空気は重かった。
アボジは一番後ろで俺たちを見守るように見ている。ただならぬ空気に少しだけ、空気が引き締まる。
みんなの視線がジンヒョンに集まったことを確認すると、ヒョンは扉をノックした。
「…どうぞ。」
中から女の人のくぐもった声が聞こえた。
でも俺はすぐにそれがAヌナの声だとわかった。
意を決したようにジンヒョンが扉を開け、俺達も中に入る。
そこには案の定、俺達のヌナがソファに座っている…はずだった。
「…何か御用ですか？」
俺達が入ってきたのを見たヌナは、少しも動じることなくソファから立ち上がり、俺達に尋ねる。
ヌナを見た途端、俺は息を飲んだ。
…こんなヌナ、俺は知らない。
こんな風に、俺達に冷たい瞳を向ける、何も感情を感じない表情をするヌナは知らない。
そのくらい、1か月前とは変わり果てたAヌナ。
そして、そのように感じたのは俺だけではなかった。
TH「…ヌナだよね…？Aヌナだよね？！」
誰もAヌナの質問に答えない中で、テヒョンイヒョンがヌナに近付いて尋ねる。
だけど目の前にいるヌナは、何一つ表情を崩さず、無表情のまま俺達に衝撃的な言葉を述べた。
「…あたしはAですが、あなた方のヌナではありません。」
その言葉を聞いた途端、俺の目から涙が流れた。
…ずっと考えないようにしていた。テヒョンイヒョンが言っていたことを。
“ヌナはもう俺達の事なんか忘れてる”
絶対にそんな事はないと、勝手に思っていた。俺達の知ってるヌナはそんな薄情な人じゃないと。
だけど、その期待はまんまと裏切られ、俺達の胸に深く刺さる。
目の前で、テヒョンイヒョンが膝から崩れ落ちたのが見えた。
だけど俺は、その傍に駆け寄ることが出来なかった。
ヌナはそんなテヒョンイヒョンの姿を見ても表情一つ変えずに、ただ見下ろしているだけだった。
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです！ (2020年5月15日 10時) (
レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます！ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます！！！！感激です…！ (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘塩爺 | 作成日時：2019年12月27日 12時
