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No.59【JIMIN Side】 ページ10

ヌナがいなくなってから、早くも1ヶ月が経とうとしていた。
相変わらず、ヌナを取り戻すための情報は何も入って来ず、何も出来ない日々ばかりだった。
それと反比例するかのように、ヌナはたくさんのテレビに出るようになった。









「…ヌナ…」









この1ヶ月でわかったことと言えば、
テレビの中のヌナの名前はキムではなく、イ・Aということ。
ヌナが所属している事務所は、アボジが経営している事務所とライバル関係にあって、かなり名が知れているということ。
だけど、裏ではかなり陰湿な手を使ってアイドル達をデビューさせてるということ。
アボジが何回も面会を求めても、全て断っているということ。









ヌナが所属している事務所の噂を聞いて、僕を含めヒョン達はかなり焦っていたけど、何一つ手がかりが掴めなかった。









TH「…ジミン」








部屋で1人、ベッドに腰をかけているとテヒョンアがやって来た。
自分の隣を指さし、座るように促す。
ヌナがいなくなってから、テヒョンアは目に見えるように痩せてきて、昔の無邪気な彼を見ることはほとんどなくなっていた。
テヒョンアはゆっくりとした動作で僕の隣に座ると、小さな声で話し出した。







TH「…俺、もうヌナの事は忘れた方がいいと思うんだ。」









テヒョンアの一言にどういう事だと目を向けると、彼は床を一点に見つめたまま、動かない。







TH「ヌナはもう俺達のことなんか忘れてる。」






「ふざけるな!」





テヒョンアの言葉に今まで蓋をしていた感情が溢れ出た。僕はテヒョンアの胸ぐら掴んで、ベッドに押し倒す。







「どうしてそんな事言うんだよ?!あの歌を聞いて、なんでそんな事言えるんだ!ヌナはあんなに苦しんでるのに!!」







涙でテヒョンアの顔が歪んでいく。
我慢しようとすればするほど、涙は止めどなく流れていく。
僕の涙がテヒョンアの頬に落ちた時、視界がぐわりと逆転する。







TH「あの歌を聞いたからだよ!!ヌナは俺達のせいでこんな目にあってる!俺達のせいで!自分に嘘をついて生きてたんだ!!」






今度はテヒョンアに押し倒された。
背中にベッドの柔らかい感触を感じながら、僕はテヒョンアを睨む。








「だからって僕達がヌナを忘れる事はないだろ!!」








TH「俺はこれ以上、ヌナの事で辛い思いをしたくないんだ!」








涙で歪んだ視界の中、テヒョンアも涙を流していた。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです! (2020年5月15日 10時) (レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます!ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです! (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます!!!!感激です…! (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘塩爺 | 作成日時:2019年12月27日 12時

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