・ ページ33
side Ryo
撮影の合間に
Aのとこへ寄るのもだんだん日課みたいになってきた。
「すみませんっ！通りますっ！」
廊下を歩いてたら
後ろから何やら大きな機械をガラガラ運んでいく
看護師さん。
え？こっち…
俺を追い越して向かっていく先は
Aの部屋がある方向で
…これって
嫌な予感しかせえへんて。
慌てて
それを追いかければ
やっぱり Aの部屋で
「Aさんっ！わかる？！」
「先生、バイタル 下がってます！」
中から そんな声が聞こえてくる
「…A！！」
ドアを開けると
目ぇぱっちり開けたAが
何人かの人と何本かの管に囲まれてて
「え？
………おおくら…」
壁には
もたれてうずくまってる大倉の姿。
「なぁ、大倉？しっかりし？
どしたん……これ、」
そう聞いても
小さく首を振るだけ。
なに？これ
なにがどうなってんのかまったくわからへん。
なんかのドラマちゃうん？
………まさか 死なへんよな？
「ちょ…まって？
死んだりせぇへんよなぁ！！！」
思わず大きな声が出てもうて
看護師さんに 宥められた
いろんなことが頭をよぎっては消えて
また次の不安が襲っては消えて
なにもできへんまま その場に立ち尽くすだけ。
しばらくしたら
激しかった機械音が
いつもの音に戻って
Aもまた いつもみたいに
穏やかに眠り始めて
先生たちが静かに出ていった姿に
ちょっと、ほっとして
全身の力が抜けるみたいに
その場にしゃがみこんだ。
この部屋には
Aと大倉と俺の
3人だけ。
「な、なんか…あれやな
……なかなかレアなメンツやな。」
この空気を取り繕うみたいに
そんなこと言ったけど
あーもう
こんな時に言うこととちゃうやろ
でも ほんま なにから言ったらええかわからへん。
「A、よかったな
落ち着いて」
大倉の前やし、ちょっと ためらったけど
Aの髪をそっと、とかしたら
なんでやろ
また 涙出てきてもーたし。
「…泣くとこちゃうやんな」(笑)
だけど、大倉はなんも言わへんまま。
いつも どんなときやって
お前のがしっかりしてたのに
「…なぁ、おおくら？
なにがあったん？」
改めてそう 聞くと
大倉はゆっくり口を開いた
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 539人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ruru - ＳＣＣＳさん» ごめんー、気づかなかったー！お陰様で無事に完結です！ってことで、またいつかです！ (2018年1月26日 16時) (
レス) id: 6e25a534d3 (このIDを非表示/違反報告)
ＳＣＣＳ(プロフ) - あけましておめでとーございま！完結おめでとうございむす！ruruさんの更新うれしー！待ってたぞ (2018年1月5日 1時) (レス) id: 80da970007 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - okanさん» おおぉーokanさん！あけおめです！お久しぶりですー！いえいえ、こちらこそまさかコメントを頂けるとは思ってもいなくて…！逆にお年玉いただいた感じです！ありがとうございます！ (2018年1月3日 22時) (レス) id: d0b2b117c2 (このIDを非表示/違反報告)
okan(プロフ) - おひさしぶりです。そして明けましておめでとうございます。何でしょう、更新に気付いた時の気持ちの跳ね様・・お年玉感が半端ないです。ruruさんありがとう (2018年1月3日 17時) (レス) id: a4c4e7c957 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - こあさん» 最後まで御付き合いありがとうございました！本編はもやっと謎だらけですがその後にご期待下さい（笑）絶賛準備中でございます！…フェードアウト…する前に御一報します(笑) (2017年11月7日 18時) (レス) id: 1b4d787e53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ruru | 作成日時：2017年7月15日 1時
