・ ページ28
大倉に連れられて来た 部屋には
シュコーっ、シュコーって
規則的に響いてる
人工呼吸器の音
緑色のアコーディオンカーテン
隙間からは
差し込み始めた朝日が
Aの顔を照らしてる
なんだか独特な匂いがするこの部屋の
真っ白なベッドには
見慣れない病衣を着させられたA
寝てるだけ、やんな？
だって
まだ5時すぎやもん。
何時間かしたら
亮は朝早過ぎるんだよ！って
また眠たそうに言うんやろ？
なぁ…
「A？」
そう 呼んで
そっと 頬に触れると
あったかい
それに ホッとしてる 自分がいる
「ほら
もう、朝やで？」
「はよ 起きて？」
死んだわけとちゃうのに
Aはここでこうして
今も生きてるのに
呼びかける声がどんどん 歪んでく
「……あかんわぁ」
「俺、やっぱAおらんと、ダメや…」
ぽたぽたと握った手の上に
涙が落ちて
頑張れって励まさなあかんのに
出てくるのは弱い言葉ばっかやねん
さっき 大倉に Aのこと 頼むって言ったばっかやのに
この手 離すなんて
…やっぱ無理やわ
「ごめん なぁ…
ほんま ごめん..」
何度も何度も謝った
何に謝ってんのかもわからへんくらい
きゅっと握りしめた指先が
ぴくっと動いた気がして
Aの顔をはっと見るけど
目にわかる変化は何一つないまま
その 長いまつげに
ひとつ 小さくキスをした
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 539人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ruru - ＳＣＣＳさん» ごめんー、気づかなかったー！お陰様で無事に完結です！ってことで、またいつかです！ (2018年1月26日 16時) (
レス) id: 6e25a534d3 (このIDを非表示/違反報告)
ＳＣＣＳ(プロフ) - あけましておめでとーございま！完結おめでとうございむす！ruruさんの更新うれしー！待ってたぞ (2018年1月5日 1時) (レス) id: 80da970007 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - okanさん» おおぉーokanさん！あけおめです！お久しぶりですー！いえいえ、こちらこそまさかコメントを頂けるとは思ってもいなくて…！逆にお年玉いただいた感じです！ありがとうございます！ (2018年1月3日 22時) (レス) id: d0b2b117c2 (このIDを非表示/違反報告)
okan(プロフ) - おひさしぶりです。そして明けましておめでとうございます。何でしょう、更新に気付いた時の気持ちの跳ね様・・お年玉感が半端ないです。ruruさんありがとう (2018年1月3日 17時) (レス) id: a4c4e7c957 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - こあさん» 最後まで御付き合いありがとうございました！本編はもやっと謎だらけですがその後にご期待下さい（笑）絶賛準備中でございます！…フェードアウト…する前に御一報します(笑) (2017年11月7日 18時) (レス) id: 1b4d787e53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ruru | 作成日時：2017年7月15日 1時
