bitter！bitter！bitter！２ (黒)

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「今夜、遅なると思うから 飯 いらんわ」






こっちを見る事なく、
サラッとそう言ったから


なんだか拍子抜けした。






『…え？それだけ？』





「他に なんて言うたらええねん」






キョトンとして今度は私を見るから

ホッとして

笑ってしまったのがいけなかったのか。






「…それか、他に言わせたい事でもあるん」



ジリジリと狭まる距離。




『…いや、別に』


違う、そういう意味じゃなくて…





「俺に”嫉妬しろ”とでも言いたいん？」




ほら、根に持ってるじゃん！

あれはサキが勝手に言った事なんだって！


新しい男なんていない！いない！




ギッと私を睨みつけるような
冷たい目





バカバカバカバカ。

私、余計な事言った。





『横山さん、落ち着いて？』





ドンっとかバンっとか
ほんと、

やめてくださいよ？



と、思いつつも身構える。





チュッとかぎゅっとかなら

大歓迎なんですけど！




キスまであと数センチ、まで近づいたとき。



「やっぱ、お前ええ顔するわ。」




ぷっと吹き出したように笑って

手の甲で口元を隠した。





『……は』





「顔、真っ赤やで？

…冷めるまで、そこにいろ」





人で遊ぶだけ遊んで

先に降りて行った。




あぁ…もう心臓…






どうやら、この半年で

冷酷上司への免疫機能は低下してしまったようです。

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