大人。 ページ26
.
『……んっ！？』
柔らかい感触が離れて、私は気づいた。
私、風磨先生と、今……
先生の顔は、いつか、ぶつかった時と同じ赤さだった。
まだ、状況をうまく理解出来ていない。
風磨先生は呆れたような顔をした。
「……ここまでして、わかんない？」
『……』
しょうがないな、と私の方に向き直す。
.
.
「……Aがすき。
俺の隣に、いてくれますか？」
.
.
『うそ……』
.
「嘘じゃない。」
風磨先生は、私の頬をむにっとつまんだ。
「んふ、かわいい」
か、かわっ……！？
余裕のある風磨先生に私はついていけなくて、まだまだ子供なんだってがっかりする。
いちいち先生の言うことに動揺して、惑わされて。
これは夢じゃない。
現実。
気づけば私の心臓の音が治まらなくて、頭も真っ白だった。
翔「Aちゃ〜んそろそろいいですかー｣
『え、？』
くらくらしてる頭に響く、聞き慣れた声。
その声が聞こえて、そっと風磨先生は手を離した。
教室の扉から入ってきた、翔ちゃんはニヤニヤしててちょっと怖かった。
『……全部、聞いてたの？』
翔「しっかりと。」
風「勘弁してくださいよ……」
さっきまでクールだった風磨先生も、兄貴と慕う翔ちゃんを前にすると可愛くなる。笑
翔「姉ちゃんが帰って来いって。
もう俺が送る必要はなさそうだね。笑」
翔ちゃんはそれだけ言ってどこかに行ってしまった。
まだ現実を受け止めきれないまま、帰ろっか、と風磨先生が立ち上がったのを見て、ついていくだけ。
唇が熱く、感触が残ってる。
この状況、誰が作ったの……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆ - 最悪。 の【と以外にも頭は冷静に働いた】→意外にも だと思います (2019年5月19日 18時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年11月18日 21時) (レス) id: ff5b4d76dd (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます。続きが楽しみでしかたないです。更新楽しみにしてます(*^▽^*) (2018年9月25日 22時) (レス) id: 2992f2d670 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - とても面白くて、続きが気になります！忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！ (2018年9月8日 17時) (レス) id: 0219ac820a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬りり - めっちゃ面白いです。更新楽しみにしてます！！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: ecf2bfd24e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：FAKE | 作成日時：2018年4月14日 22時
