仕事。 ページ18
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”名字、暇ならこれ職員室に運んどいて。”
生物の授業が終わり、教卓の前を通ると、
半田が私にそう言うのだった。
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夢乃「Aどんまい笑 私トイレー」
隣でそれを聞いていた夢乃が、私の肩を叩いて教室を出ていく。
私が、
半田に、
こき使われた……
目の前にドーンと置かれた大量のファイルを前に、私は大きくため息をついた。
だって、半田だよ！？風磨先生なら快く受け取るのに、なんで半田……。
ああ、私はとことんついてない……
『分かりました……』
断る理由も見つからないので、私はファイルを持って教室を出る。
半田め……
って言うかこんな重いの、なんで女子に頼むのよ。
階段を降りるのにも慎重にゆっくり進まなきゃいけない。
『はぁ……』
今日は朝からぼーっとしてるなぁ。
今日はっていうか、最近ずっと。
風磨先生のことで頭はパンクしそうになるし、嫉妬で張り裂けそうになるしで踏んだり蹴ったり。
早くどうにかならないかな……
クラスメイトの男子より、街ですれ違う男の人より、風磨先生は飛び抜けてかっこいい。
そんな先生の隣に、一瞬でも居られたことがほんとに幸せ。
また、あの時に戻りたっ……
『うぁっ』
階段を降りきって油断し、角を曲がった所で誰かとぶつかった。
そのまま尻もちをついて、バラバラと手元のファイルは落ちる。
最悪。
ついて無さすぎてもう笑えてくるんですけど。
いたたたた……
「ごめんAちゃん！」
そう言いながら私の前にしゃがんで
大丈夫？と、手を差し出すのは、
紛れもなく
『菊池先生……』
風「怪我してない？」
私の手を掴んで立たせた後に、散らばったファイルを拾い上げてくれた先生は、何故か少し耳を赤くしていた。
そんな私も、多分顔が真っ赤に違いない。
風「ほんとごめんね？この資料、詩織先生のだよね？俺持ってっとくよ。」
『え、はい……』
訂正。
私やっぱり今日ツイてる。
”Aちゃん！”
って咄嗟に名前で呼ばれたことに驚いたし、手を握られた部分が熱を持っているのがわかる。
初めて風磨先生に触れた日。
私はまだ風磨先生なんて呼べてない。
職員室に戻っていく先生を見送って、私はゆっくりと教室に足を運んだ。
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☆ - 最悪。 の【と以外にも頭は冷静に働いた】→意外にも だと思います (2019年5月19日 18時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年11月18日 21時) (レス) id: ff5b4d76dd (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます。続きが楽しみでしかたないです。更新楽しみにしてます(*^▽^*) (2018年9月25日 22時) (レス) id: 2992f2d670 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - とても面白くて、続きが気になります！忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！ (2018年9月8日 17時) (レス) id: 0219ac820a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬りり - めっちゃ面白いです。更新楽しみにしてます！！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: ecf2bfd24e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FAKE | 作成日時：2018年4月14日 22時
