暗闇。 ページ11
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風「……おつかれさん。」
先生は、なんとかこの大量のプリントを1時間で終わらせてくれた。
教え方がすごくわかりやすくて、前よりも古典が好きになった。
それから、先生の事も……
なんと言っても、この短時間で私、自分から話すことができたという快挙を成し遂げた。
最初は嫌で仕方がなかった補習も、あっという間。もうこんな時間は訪れないって思うと、寂しさが溢れる。
私、古典苦手でよかったかも……なんて。
ちょっと待ってて、と言って教室の外に出て行った風磨先生を待ってる。時計を見れば、もう8時。
そりゃあいつもすごく早く帰ってくる娘が帰らなかったら、翔ちゃんに連絡入れるよね……。後で謝っとこ。
カバンを持った先生が、私の方に向かってきた。
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風「送ってくよ、もう暗いし。」
そう、言って。
私は思わず固まった。
送るって？靴箱まで？
風「車出すから、行くよ？」
そうじゃなかった。
『え、悪いですよ！』
風「いいの、俺が名字さんの事遅れさせちゃったから。ごめんね？」
ごめんねって、元はと言えば私が古典の出来が悪いだけで……。
頭は真っ白なまま、先生について行く。
白いミニバン(嘘の戦争のやつ)の前で車の鍵を解除すると、風磨先生は助手席に回ってドアを開けた。
風「乗って？」
……本当に、いいの？
風磨先生の、助手席だよ？
『お、お邪魔します……』
そっと、助手席に乗る。
風磨先生のいい匂いがして、バックミラーにかかってる可愛いアザラシが目に付いた。
こんなのつけるんだ。可愛すぎか。
余裕ぶっこいてるのもつかの間、風磨先生が運転席に乗った。
私の胸が破裂しそうなほどバクバクと動いてる。
風「なんか、目印になるとこある？家の近くに。」
『あっと……』
私の家の周り、何もないからな……
とりあえず最寄り駅まで向かってもらうことにした。
ゆっくりと、右を見る。
綺麗な横顔が、満月の夜に映えていて、思わず見とれてしまう。
だってまさか、一目惚れした先生の助手席に乗るなんて、思ってもみなかったもの。
片手でハンドルを操作してて、左手は肘掛に肘を置き、顎に手を添えている。
かっこいい……
そんなことばかり考え、ずっと風磨先生のことを見ていたら、
心地よすぎる運転に身を委ねて、気がつけば私の瞼は閉じていた。
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☆ - 最悪。 の【と以外にも頭は冷静に働いた】→意外にも だと思います (2019年5月19日 18時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年11月18日 21時) (レス) id: ff5b4d76dd (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます。続きが楽しみでしかたないです。更新楽しみにしてます(*^▽^*) (2018年9月25日 22時) (レス) id: 2992f2d670 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - とても面白くて、続きが気になります！忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！ (2018年9月8日 17時) (レス) id: 0219ac820a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬りり - めっちゃ面白いです。更新楽しみにしてます！！ (2018年8月22日 21時) (レス) id: ecf2bfd24e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FAKE | 作成日時：2018年4月14日 22時
