ずっと一緒に。２ Fuma.K

冬６ ページ37

.








風「寒い、マジヤバいんだけどぉ」



『風磨冬大嫌いだもんね』



風「勝利一緒に寝よ〜」



勝「え、ヤダ」








アホくさいいつもの会話をしながら、風呂上がりに勝利の部屋でババ抜きをしている。



こう話すのも、とても久しぶりで、心が自然とあったかくなるものだった。






.







『……文化祭。』




風「……え？」



『もっと楽しみたかったな。』








不意に心の中に出てきたものが、そのまま口に出た。





風磨はちょっとびっくりしてけど、ちゃんと答えてくれた。




風「……Aのせいじゃないからね」





優しくそう言ったけど、直後に私の持っていたババを取ったので、なんか申し訳ないまま風磨の顔を見た。



目を見開いて私を睨んだあと、ちょっとだけ微笑んで、



ババのカードを持ち札の真ん中の方にちょっとだけ出して、勝利に向けると、


見事に引っかかったみたいで、うぇーい、と叫んだ。





勝利はまた私に不敵な笑みを浮かべ、カードを私に向ける。






私の手札はあと1枚。









勝利のはあと3枚。









３分の１のババ。









お願いしますっ！！！！









そう心の中で叫んで、一番右のカードを引いた。









勝「しゃっ！」








変な絵柄の書かれたカード見て、私は肩を落とす。









とことんついてない。







『もうー。うざっ。』









.









そのババは全く取られないまま、風磨、勝利の順に抜けて、私は最下位だった。








風「まぁ、これが人生の運って奴よ。」








調子乗りやがって……。







『今日私勝利のベッドで寝るから。おやすみ！』






勝「えっ」







勝利の戸惑いの声なんて気にせず、そのままベッドにダイブ。







.








.









風「……おやすみ。」









風磨のそんな声も聞こえなくて、いつの間にか眠りについていた。

冬７→←冬５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す