ずっと一緒に。２ Fuma.K

秋から冬２ ページ26

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風「……A？




涙、溜めないで」





そう言って私を抱きしめようとする暖かい腕を、




無意識に払ってしまう。






こんなことしたいんじゃないのに。








優しく、しないで。






いつまでも風磨と勝利には甘えられない。






風「……A。」







呼ばないで。







優しく呼ばないで、





涙が出るから。







思えば文化祭の時、私を置いて他の女の子と約束してたのも知ってる。







あの時すごく、見捨てられた気持ちになった。





なのに、助けてくれた。









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『ごめん、もう来ないで……』









ホントは違う、そんなこと思ってない。




来て欲しいよ。






助けてよ風磨。









風「……Aなんかあったなら言って？」







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『……さよなら』









違うのに







思うことと反対の事を言った私は、風磨の顔も見ずに、さっきまで歩いていた道を走った。





こんなに自分勝手でわがままな幼馴染をなんでいつまでもほっとかないの……








助けて、と言えない自分に腹が立つ。



隣にいるのはいつも風磨と勝利なのに。




呼びかける声も今の私には届かない。






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気がつけば、隣町の知らない公園のベンチに座っていた。

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