ずっと一緒に。Fuma.K

１泊２ ページ46

『風磨、出たよ』




風磨の部屋の前で、少し濡れた髪をタオルで拭きながら報告。



返事はなく、入るよー、とひと声掛けて扉を開けた。








『……寝てるし』




ベッドの上で、寝息ひとつたてずにうつ伏せで眠っている。



相変わらず寝顔は綺麗だな、ムカつくほど。




隣に腰かけて、しばらく風磨を見つめていた。









風「……俺の寝顔、一回２万円ですけど。」


『金取るんかい』




急に起きてきて発言がイッちゃってるね。


安定のツッコミは入れておきました。





『風呂、出たからね。』



風「おう……」



『どうした？』




一点を見つめたまま動かない風磨に話しかける。



風「……勝利から、聞いたんだろ？

中島の事とか。」






『……ん。まぁ。』




風「俺ホントあの時ショックだったからさ。

佳奈美が中島といたとき。

Aにも同じ気持ち、味合わせたくなかった。」





悲しい目をしてたから、相槌を打つしか出来なくて、不甲斐なかった。






『健人くん、私が帰れないって言ってた日はさ、結ちゃんと帰ってたはずじゃん。


なのに、前私が健人くんと帰れなくて風磨誘おうとした時には、


結ちゃん勝利と風磨の３人で帰ってたよね？』





風「あぁ、あれな……」



また悲しい目。



風「中島、中本以外にも誘われて帰ってたらしい。」


『……は』



結ちゃん……以外にもね。

確かに、私と付き合うまで毎日告白の嵐だったって聞いたことある。



そんなモテモテの人がすぐに周りの女子を絶とうとするなんてありえない話。




ホント、馬鹿だった。




風「……俺も。中本に誘われて花火大会行ったの、間違いだった。」



『どうして？』









風「お前らといた方が何百倍も楽しかったから。」








風磨も勝利も同じこと言うんだ。

私も楽しかった記憶しか無い。




『私も』




そう言うと、風磨は微笑んで部屋を出ていった。



なんか、すっごい長い一日だった。




一日で色んなことがありすぎて、





眠い……









･









風「……寝てるし」









そんな言葉は聞こえないほど、朝まで爆睡してました。

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