1泊 ページ45
『「いただきまーす」』
風ママ「どーぞどーぞ!
いやぁ、久しぶりすぎてビックリしちゃった〜!」
テーブルに並ぶ豪華な品々に、どの料理から手をつけていいのか迷って、大好きなハンバーグに齧り付く。
『ごめんね急に押しかけて!……やっぱ風磨ママの作るハンバーグ最高……』
風ママ「大好きだねー、A。え、今日泊まり?」
『あ、よろしくお願いします笑』
私の左側に風磨、私の前に風磨ママ。
風磨パパは最近作詞の依頼に追われてて、
(シンガーソングライターですから!)
スタジオに泊まりがけで帰ってこられないらしい。
カッコイイなぁ、お父さんが音楽家なんて……
風「そうでもねぇよ」
『……へ?』
風「小さい頃からなかなか遊んでもらってなかったし、母さんも共働きで俺一人だし……ろくにペットもいないし。」
風ママ「すみませんねぇ」
風「いや、そうじゃなくて。
羨ましいのはこっち。
だから俺、お前と勝利がいなかったらどうかしてたかもな。」
『……あぁ……、うん。そうだね。』
なんだろう。
上手い返事が返せないや。
風ママ「……あ、ねぇA彼氏出来たんでしょ?どうなのどうなの?」
このタイミング……?
風「あ…『別れた。』
隣を見なくてもわかる、風磨のちょっと戸惑ってる顔。
まぁ、もう吹っ切れたからいいんだよね。
まだ引きずってるのはもちろんある。
もう二度と使わないであろう二つ目の弁当箱を、
引き出しの奥の奥に閉まった時には涙がこぼれてきそうだった。
『……別れた。
なんか合わないなぁ〜って思って!』
風「A……」
わかってる。
でも、笑顔にしてなきゃ
風ママ「……そっかー。ま、Aがうちにもらってくれるの待ってるからね〜笑笑」
『あは笑』
風「……ご馳走様。」
異様な空気に耐えかねたのか、食べ終えた風磨が席を立つ。
それを見て、私も立つ。
『私も!ご馳走様でしたー!』
風ママ「風呂出来てるよ〜」
風「先、いいから。」
風磨はそう言って自分の2階の部屋に向かった。
……なんか、さっきまで普通に話せてたはずなのに、急に距離が遠くなった気がする。
ゆっくり入って疲れも悩みも吹っ飛ばそっと。
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片寄涼太(プロフ) - 読みたいです♪ (2017年8月27日 11時) (レス) id: 4d2f3c55f6 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - お泊まりの話、ぜひお願いします(*^o^*) (2017年8月27日 7時) (レス) id: 736d61aef1 (このIDを非表示/違反報告)
おとめ(プロフ) - はい(*^^*) (2017年8月23日 23時) (レス) id: 78ed09e5e1 (このIDを非表示/違反報告)
FAKE(プロフ) - おとめさん» 初感想ありがとうございます!!!最後までよろしくお願いしますね! (2017年8月23日 22時) (レス) id: ee622e498f (このIDを非表示/違反報告)
おとめ(プロフ) - すごく面白いです!(*^^*)これからも、更新楽しみに待ってます! (2017年8月22日 16時) (レス) id: 78ed09e5e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FAKE | 作成日時:2017年5月25日 20時