ずっと一緒に。Fuma.K

秋 ページ32

10月。

風磨と勝利と話さないまま丸1ヶ月が経った。




「「さよならー」」



つい最近席替えして、隣になったのは樹くん。
明るくてカッコいい雰囲気で、髪の毛が赤黒い感じ。

体育祭のランナーで２番手を務めた運動神経もいい秀才。



頭がいいのかは謎だけどね。


頭悪かったら秀才って言わないのか？

……まあいいや。






樹「え、Aちゃんいつまで座ってんの？廊下で愛しのLOVERが待ってるけど？」



『……あ、ごめん』



樹「ﾊﾊｯじゃあねー。」




いつの間に下校になったんだよ。


ああもう！
最近ボーッとしすぎだ自分！



廊下を見ると健人くんが携帯をいじっているのが分かった。

そこに群がる女子。

酸素を求めて這い上がるミ○ズの様な。



失礼。





『健人くん！！！遅くなってごめんね！帰ろ？』


健「あ、うん。ちょっと待ってね。」







私が半ば強引に繋いだ右手をスルッと振りほどいて、健人くんは携帯を見続けた。









胸がｷｯって痛むのがわかる。





健人くんが最近冷たい。



いや、普通に接してくれてはいるんだけど、たまに出てくる冷ややかな態度。




何かちょっと怖いかも。




健「よし、行こ！あ、今日クレープ食べない？」





ほら、またいつも通りの健人くんだ。



最近健人くんが分からなくなる。




私の事どう思ってるの？





ダメ、そんなこと聞いたら重い女って思われるに違いない。




『……うん、食べよ。』


健「え、元気ないけど大丈夫？」





大丈夫じゃない。

全然大丈夫なわけない。



『平気。行こ。』







私が嘘をついた数と、




あなたがついた嘘の数は








どっちが多いのかな。

秋２→←夏休み明け２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す