ずっと一緒に。Fuma.K

花火大会 ページ28

今日は健人くんが午前中予定があるらしかったので、18:00に迎えに来てくれるということだった。



Aちゃんの浴衣楽しみだなぁ、って……

昨日LINEでさんざん言われて買ってきた紺色の浴衣。


お母さんも薄々気づいてるみたいなんだけど。


今年の花火はいつメンで行かないってこと。





着付けが終わって髪も整えてメイクもバッチリして、後は健人くんを待つだけ。


と思ってたら。




《ピンポーン》



来た来た。



『はぁい』



緊張しながらドアを開ける。








健「Aちゃん……」




『ん、行こ！』



健人くんは黒のロゴ入りTシャツに黒ジーパンっていう普通にカッコいい感じ。



けど、私のことを見るなり、健人くんは私の左手を掴んで言う。



健「絶対、手離さないで。」


変な男が近づいてくるんだから、って……




『そんなわけないじゃん！』



私の言葉はお構い無しに、顔が赤らんですっごい可愛い健人くん。


身の程知らずだなぁ、


なんて言うけど、あなたもあなたですけど？



◇ ◇ ◇



花火は20時から始まるけど、もうすっかり賑わいを見せてる。

人、人、人……

屋台のいい匂いとか、一年ぶりだなぁ。



健「おなか、空いてる？なんか食べたいのある？」


『うーん……。あ、はしまき食べたい！』



繋いでいない右手で、私の大好物のはしまきのある屋台を指さした。


健人くんは、うんいいよ、ってまっすぐ屋台に向かう。


人混みをかき分けて、やっと買えた(買ってもらった)大好物。



少し道外れたところまで行って、人が少ない場所で、ひと口目を頬張った。



『美味しい！！最高！』



健「えー、ひと口欲しー！」



ニコニコ笑顔で言う健人くんに、そのままはしまきを口に運んであげた。



健「……ヤバい、超美味ぇ！」


『でしょ？』


健「Aちゃんが食べさせてくれたからだよ！」




それ、お弁当ひとくちあげたときも言ってたよ。。乱用すな乱用。

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