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夏休み前5 ページ14

階段を必死で駆け下りて、これでもかと言うくらい走り、ドアをこじ開ける。

 



ガンッッッ





 二人とも驚いたのか、目を見開いてこっちを見た。



風「遅ぇよA何やってたんだよ。」




『ハァ……ハァ……あの……ご……ごめん……』





 息が上がりすぎてうまく話せない。




汗も滝のように流れてくるし、倒れそう。




勝「Aそういう時無理に話すのは心臓止まるから落ち着いてからの方がいいよ。

2呼2吸。はいてはいてすってすって。

やってみ?だいぶ楽になるよ。」



 流石、長距離の神勝利。


いろいろ知ってるし、思いやりのない誰かとは違う。




 勝利の言う通り、2呼2吸を実践してみる。

 


はいてはいて、吸って吸って……はいてはいて、吸って吸って……



『楽……』

 


ありがとう。勝利。うん。





『それでさ……。

いつもみたいに弁当持って走ってたら、中島健人にぶつかって……

絡まれた。』

 





私がそういった瞬間、風磨は揚げパンを食べる手を止めた。




風「……あいつなんか言ってた?」



 パイプ椅子にもたれていた身体を前のめりにして問う。


 私は近くのパイプ椅子を三人で向かい合わせになるように、いつもみたいにセットする。



 ちなみにこの空き教室は、長机がたくさん後ろにあって、ホコリのついた黒板の前には、先生の机がある。




 最近この空き教室のど真ん中で昼食をとる風習が出来だした。


元は三人で校内探検をしたとき、風磨が見つけた教室だった。





『なんかふまたんから聞いてどうのこうのって言ってたけどよくわかんないから逃げてきた。』




勝「なにそれ笑笑」

 
勝利が夢中になっていた弁当から笑いつつ私の方に目線をむけた。





風「……あいつになんかされたら言えよ?」



 風磨はまた背もたれにもたれて揚げパンにかじりつく。




言葉の意味はよく分からないけど、"あいつになんかされる"気がしなくもなかった。





 この予感がまたしても的中してしまう事、まだこのときは知りもしなかった。





 私も弁当を広げた。
 広げたまでは良かった。









『……ぐちゃぐちゃやんけ……』

 見事に弁当の原型は無かった。

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片寄涼太(プロフ) - 読みたいです♪ (2017年8月27日 11時) (レス) id: 4d2f3c55f6 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - お泊まりの話、ぜひお願いします(*^o^*) (2017年8月27日 7時) (レス) id: 736d61aef1 (このIDを非表示/違反報告)
おとめ(プロフ) - はい(*^^*) (2017年8月23日 23時) (レス) id: 78ed09e5e1 (このIDを非表示/違反報告)
FAKE(プロフ) - おとめさん» 初感想ありがとうございます!!!最後までよろしくお願いしますね! (2017年8月23日 22時) (レス) id: ee622e498f (このIDを非表示/違反報告)
おとめ(プロフ) - すごく面白いです!(*^^*)これからも、更新楽しみに待ってます! (2017年8月22日 16時) (レス) id: 78ed09e5e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:FAKE | 作成日時:2017年5月25日 20時

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