ベリー・ベリー・ストロベリー(黄)

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「…で、なんで俺なん」




迷惑そうな顔しながら

最初の生中を煽る



大倉忠義






困った末の 大倉って

役に立つかはわからないけどさ







この人との関係は

至って正常





友達、と言っても普通の

ほーんと 普通の 友達






ひとつ言うなら

うちの事務所の子と昔付き合ってたっていう

たったそんだけの関係






…だけど


私も私で亮とのことがあるから

なんやかんやで こんな関係








『たまには、会わないと拗ねるじゃん
？』



「拗ねへんわ！」




「もー
かわいい子の1人や2人連れて来てくれるって思ってたのにー」なんて


歳も変わらないくせに

かわいい弟みたいな感じ





「で？
りょーちゃんから連絡は？」


『来ない』





「じゃぁどーするん、鍵」


『だから困ってんの。』






困ってるの。

だから あんたを飲みに誘ったの。



そしたら

ええよ〜って 軽く返事したくせに。






「Aちゃんが連絡してもあかんのやったら俺やってダメやろー」




とか言いながらも、携帯を取り出して

連絡してくれるんだから






スピーカーにして

何回か呼び出し音を聞いた頃




「ほら、やっぱ出ーへん」



” はい ”



『…あ、出た』




「あっ！りょーちゃん？


今どこおるん？



…Aちゃんちの鍵持ってるやろ？


うん、うん、


…だから、連絡したってってー


え？なんで？！


意味わからんてー



あ、ちょ…なぁっ！」






『切られてやんの』



「もー、なんなんー」



『で、…なんて？』



「聞かんほうがええこと♡」





あぁ…

やっぱり どこかの誰かさんと そーいうことかぁ




しかも 大倉。

語尾のハートは私にとっては凶器だよ




あーあ

昨夜 いい子だねって思ったのになー




別に彼女でもなんでもないから

嫉妬とか 束縛とか

そんなのするつもりもなければできるわけもないのは



重々承知してますけど






『…帰るわ』


「どこへ？！」




『どこか。』


「どこかってどこよ！？」


『だから、どこか、だって。』






この際

もうそんなの どこだって いいんだよ







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