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＿＿ｶﾁｬ
懐かしい香り、古い紙とインクの匂い……
「取ってくるから、そこに座っとって？」
先生に促されて、私は準備室の接待用のソファに腰かけた
丸山先生は書庫に入ったみたいで、私はしばし緊張から解放される
はぁ……
見渡す限り本棚に囲まれて、そこに収められた数えきれない本を、どれだけかかったら読みきれるだろうか……そんな事を考えていた
理子のこの本も……もしかしたら、ここの棚のどこかの……
「A……」
突然呼ばれて、私は思わず理子の本を床に落としてしまった
「やっぱ、A好みのやつとかわからへんかったわ。一緒においで？」
「え、……でも」
「ええから、……おいで」
丸山先生は私の手を引いて、書庫の中へと導く
薄暗い部屋、少しかび臭い空気、この部屋も何も変わっていない
「……」
「懐かしい？」
「……懐か…ｯ」
言い終わる前に塞がれた唇
キスなんて、優しいものじゃない……これはまるで、捕食のような……
「んｯ！」
本棚に押し付けられた拍子に、痛みを感じて思わず声をあげた
「……痛かった？」
唇が切れて、口の中に血の味が広がる
見れば、先生の唇も切れていて……血が滲んでいる
「これは……どっちの、やろな？」
ペロッと唇を舐めたその顔は、美しく妖艶に笑っている
「……A、ホンマに……綺麗になったな」
先生の手が、私の頬を包む
「……待ってたんやで？あの頃から、ずっと……」
ゆっくりと、ゆっくりと……先生は私に覆い被さって、背中に床の冷たさを感じた
「待ちくたびれた……」
「けど、……あん時我慢してホンマ正解やったわ」
……我慢、した？
「なぁA、タイムカプセル埋めたのんの、右隣の桜の木……」
「……」
「あの桜並木の中で、一番綺麗やと思わん？」
先生がずっと見つめてた……あの桜の木
「桜染めって、あるやろ？……あれな、桜の花で染めたピンク色って思われがちやねんけど」
先生の指が、ゆっくり私の輪郭をなぞる
「桜の枝を煮て、そん中の色素で染めてるんやで？」
「想像してみ？あの木の枝の隅々に、赤い色したもんが流れてるんやで？……めっちゃ綺麗やんな……」
to be continue……
×【贋作桜の樹の下には(前編)】
ココナッツ
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ruru(プロフ) - まるちゃん大好きさん» してるもの、人、を同じように感じてもらえる嬉しさ。こんな貴重な感情を抱かせて頂けたことに感謝しています。長くなってしまいました…これからも頑張ります。ありがとうございます。 (2017年9月28日 23時) (
レス) id: 26d316704d (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - まるちゃん大好きさん» とっても胸にストンと落ちるコメントをありがとうございます。気に障るだなんてとんでもない！実はこのコメントを読ませて頂いてココナッツさんと泣きました（笑）帰るべき場所はここなんだなぁと改めて気づかせていただいたように思います。そして自分たちが大切に→ (2017年9月28日 23時) (レス) id: 26d316704d (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ∞ゆかりん∞さん» ああ…どうしよう…涙が…(T^T)私たちも楽しんで書かせて頂きましたが、読んでくださる皆さんも一緒になって楽しんで下さってるようで、とてもとても嬉しいです！！ありがとうございます！！メンバーを代表して、皆さんに出会った奇跡に感謝…！！ (2017年9月28日 23時) (レス) id: b7090edd86 (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん大好き - はじめまして。コラボへの同意な感想が目について自分も言いたくなりました。ここは関係に上下もなくてほっこりしてる気がして。皆さんが穏やかに書き続けれるようにずっと応援しています。まとまらない文章ですみません。気に障ったら消してください。 (2017年9月28日 21時) (レス) id: 5c881ceaf8 (このIDを非表示/違反報告)
∞ゆかりん∞(プロフ) - 私もココナッツさんのコラボをいっぱい拝読してて…ruruさん夢路さんゆきさんの作品も前からお気に入りにいっぱいで…これは私的に奇跡のコラボで…！全員集合はもうできないのかな…と察してますが…気に入ってよく読み返してるので伝えたくて…横からすみません！ (2017年9月28日 15時) (レス) id: 95b062ae07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき なっつ ゆめじ るる x他3人 | 作成日時：2017年3月20日 23時
