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逸る気持ちに乗せられて駆け寄った先。
息を切らす私とは裏腹に、神宮寺くんは相変わらず爽やかな笑みを浮かべていた。
『偶然だね！びっくりしちゃった』
「だね。ちょうど今お店に行こうとしてたんだけど、もしかして…」
『俺今日休みもらってんの！んでめちゃくちゃ天気よかったからツーリングしてた』
そういえばバイクが好きって言ってたっけ。
全然詳しくない私でも相当立派なものだとわかる彼の愛車。
それを背にして寄りかかるように立つ神宮寺くんはあまりにも様になっていて、バーテンダーの姿とはまた別のかっこよさと漢のオーラをムンムンと放っている。
『お店に行こうとしてたってことは、もしかして俺に用あった？……って、自惚れか』
「いやっ、あのね、」
『あ！それプレゼント？』
私の手元へと向けられた視線は、紙袋の中から覗く綺麗にラッピングされた箱を捉えた。
「うん。海人くんがくれたの」
『そっか〜、あの海人が早速誕生日プレゼント買ったんだ。Aちゃんの為ならすぐ買うのな。あいつ俺らのときは全然数ヶ月後とかでさ、』
「あの！そのことなんだけど」
思わず遮った言葉。
瞳を瞬かせながら絶妙な角度でコテンと首を傾げる彼に、小さく息を呑んでから頼りない声を吐き出した。
「海人くんね、私の誕生日、神宮寺くんから聞いたって言ってたんだけど…」
『あっごめん、言わない方がよかった？』
「そうじゃなくて！…私、神宮寺くんに教えてないよね…？どうして知ってるのかなって思って」
彼にとっては何てことのない質問だったに違いない。
「あ〜！」と軽く上がった笑い声は、乾いた空気に混じり溶けていった。
『それね、廉に聞いた方がいいかも』
「…え？どういうこと…？」
不意に出てきたその名前に、
ひどく動揺したのが自分でもわかった。
『俺は廉から教えてもらったけど、廉に何でAちゃんの誕生日知ってるのか訊いたら��超能力��とか言ってたから。てっきり本人から聞いたと思ってたんだけど、違うんでしょ？』
「うん……言ってない」
『こっっわ！まあどうせAちゃんの友達あたりから聞いたんだろうけど』
友達、か。
私と廉くんの共通の友達なんて誰も浮かばなかった。
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マラム - 初めまして！とても素敵なストーリーで最後は少し涙ぐんでしまいました笑(*´∇｀)是非、続編も読んでみたいです。宜しくお願い致します！ (2022年2月14日 16時) (
レス) id: 4a6419f64c (このIDを非表示/違反報告)
非常口(プロフ) - 香奈さん» 香奈さん コメントありがとうございます。読んでくださり、嬉しいお言葉までくださって本当に愛感謝です(* . .)"今後も温かく見守っていただけたら幸いです。よろしくお願いします！ (2021年9月23日 13時) (レス) id: 2fe7817164 (このIDを非表示/違反報告)
香奈 - 初コメント失礼します。こちらのお話とっても面白くて夢中になって読ませていただきました！とっても読みやすかったです♪また更新を楽しみにしていますねヽ(´▽`)/ (2021年9月23日 8時) (携帯から) (レス) id: ab01dcd0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2021年9月22日 19時
