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──こんばんは
トボトボと歩く帰り道。
��用事を思い出した��なんてベタな台詞を残してなんとか二次会を免れた私は、不思議な感覚から抜け出せないまま。
不意に耳に届いた声に顔を上げると、街灯も疎らな薄暗い道路のど真ん中に人影が見えた。
不審者かと一瞬身構えたものの、暗闇の中からスっと現れたのは、真っ白な布を羽織った天使のような姿形。そこからほんのりと柔らかな淡い光が放たれている。
幻覚かと思ったけれど、そもそも夢の中なのだから幻覚も何もない。
ただ、現実世界に天使というものが存在するとしたら、きっとこんな感じなんだと思う。
いいじゃん、夢っぽい。
ところで天使が私に一体何の用だろう。
次の言葉を待っていると、
その天使はふんわりと微笑みながらこう言った。
『ようこそ。ロマンスの世界へ』
「………………は？」
湧き出た感情がたった1文字に集約されて口から零れ落ちたところで、天使は穏やかな表情を崩さぬまま、ゆっくりと私の周りを歩き始めた。
『びっくりしたでしょ？目覚めたら突然合コン。それも、夢なのに妙にリアルで感覚も冴えてる。今も僕の話を聞きながら、目の前で起きている現象が不思議でたまらなくて混乱してる』
心の内をすべて見透かしたように淡々と話す天使は、後ろで手を組んで楽しそうに私の周りを歩き続ける。
『君がいるこの世界はね、正確には夢の中じゃないんだ』
聞き手に徹していた私の耳は、その言葉に過剰に反応した。
夢じゃない……？
ますます混乱する私に天使は続ける。
『夢と現実の狭間、って言ったらわかりやすいかな。ちゃんと五感が働いてるでしょ？僕たちはここをロマンスの世界って呼んでるんだ』
夢と現実の狭間。
ピンと来ないようで、1番しっくりくる表現だった。
だけど私が知りたい根本はそこじゃない。
「あのっ、」
疑問を口にしようとしたそのとき、ずっと周回していた天使が、正面でピタリと止まった。
そして口の両端に笑窪を作ると、悪戯に瞳を細めて楽しそうにこう言った。
『リアル恋愛脱出ゲーム』
リアル…恋愛…脱出ゲーム……？
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マラム - 初めまして！とても素敵なストーリーで最後は少し涙ぐんでしまいました笑(*´∇｀)是非、続編も読んでみたいです。宜しくお願い致します！ (2022年2月14日 16時) (
レス) id: 4a6419f64c (このIDを非表示/違反報告)
非常口(プロフ) - 香奈さん» 香奈さん コメントありがとうございます。読んでくださり、嬉しいお言葉までくださって本当に愛感謝です(* . .)"今後も温かく見守っていただけたら幸いです。よろしくお願いします！ (2021年9月23日 13時) (レス) id: 2fe7817164 (このIDを非表示/違反報告)
香奈 - 初コメント失礼します。こちらのお話とっても面白くて夢中になって読ませていただきました！とっても読みやすかったです♪また更新を楽しみにしていますねヽ(´▽`)/ (2021年9月23日 8時) (携帯から) (レス) id: ab01dcd0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2021年9月22日 19時
