#26 ページ26
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『あの後どう？誰かと上手くいってる？』
キャンパス内を歩いていると後ろから肩を叩かれた。
あの日の合コンに参加していた友人だ。
「いやぁ？全然？」
『私さー、ほんとは廉くん狙いだったんだけど、彼女いるらしいんだよね。だったら合コンくんなって話！』
「へぇ、そうなんだ…」
そっか。
勝手にイケメンズ全員を候補にして呑気に選ぶ気でいたけど、彼らにもそれぞれの設定やら生活環境があるわけで。
彼女持ちもいれば、これから誰かに取られてしまう可能性もあるんだ。
もしそうなったら、ゲームらしく略奪しろってこと？
ただでさえ苦戦しているというのに、そんなレベルを上げられたらとてもクリアなんてできない。
『だから紫耀くんにした！』
「ふーん……えっ！？」
『もともと廉くんか紫耀くんがいいな〜って思ってたし。実は今いい感じなんだよね〜。今日家に行く約束しちゃった！』
時すでに遅し。
いつの間にそんなことになってたなんて。
っていうか、紫耀くんの家ってうちの隣じゃん！
家に行くってことは、そういうこと？
部屋が隣同士だなんて知られたら厄介なことになりそう。
もう何に危機感を持つべきなのかわからなくなってきた。
言われてみれば、今日の彼女は気合いの入ったガーリーな服装にいつもより濃いめのメイクを施し、綺麗に染まった髪はまっきまき。そして鼻につくほど甘ったるい香水の匂い。
これが紫耀くんの好みなのかは知らないけど。
わかりやすく高いテンションでキャッキャと手を振って去っていった友人の背中を眺めながら、自分の詰めの甘さを悔いた。
だけど面倒には巻き込まれたくないし、あの子が紫耀くんと上手くいっているなら、私にとっては神宮寺くんがいちばんの近道なのかもしれない。
そうだ。これ以上もたもたしていられない。
こうなったら神宮寺くんに的を絞って攻略するしかない。
そう思い立って早足に向かったもう何度目かのバーの扉には、【Closed】と書かれた札がぶら下がっていた。定休日だ。
ツイてないなあ……
今日はできれば家に帰りたくないけど、帰る場所は一つしかない。どう足掻いたって、紫耀くんの部屋の隣が私の帰る場所なんだ。
彼が自分の部屋に誰を連れ込もうと何をしようと、そんな事情は一切関係なく、壁一枚のみを隔てたこちら側の小さな空間でひっそりと身を潜めるしかない。
それが私に与えられた試練。
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マラム - 初めまして！とても素敵なストーリーで最後は少し涙ぐんでしまいました笑(*´∇｀)是非、続編も読んでみたいです。宜しくお願い致します！ (2022年2月14日 16時) (
レス) id: 4a6419f64c (このIDを非表示/違反報告)
非常口(プロフ) - 香奈さん» 香奈さん コメントありがとうございます。読んでくださり、嬉しいお言葉までくださって本当に愛感謝です(* . .)"今後も温かく見守っていただけたら幸いです。よろしくお願いします！ (2021年9月23日 13時) (レス) id: 2fe7817164 (このIDを非表示/違反報告)
香奈 - 初コメント失礼します。こちらのお話とっても面白くて夢中になって読ませていただきました！とっても読みやすかったです♪また更新を楽しみにしていますねヽ(´▽`)/ (2021年9月23日 8時) (携帯から) (レス) id: ab01dcd0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2021年9月22日 19時
