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半目状態で岸くんに身を任せていた私は、彼の肩に乗せていた重い頭をのっそりと持ち上げ、視線を前へと向ける。
廊下のダウンライトが外の暗闇を跳ね返すように通路を淡く照らす中、私と紫耀くんの部屋の扉のちょうど間あたりに腰を下ろしている人影。
その手が握るスマホの小さな光と向き合う横顔は、確かに見覚えがあった。
『廉！どうしたの何してんの？』
ピクっと肩を震わせてから振り向いた彼は、岸くんから私へと移した視線をすぐに戻すと、「おつかれ」と片手を軽く上げた。
『紫耀に用あって来てんけど、まだ帰っとらんみたいやから』
『待ってんの？』
『おん。………さっき言うてたのほんまやったんや』
私を見る彼の苦い表情がチラりと視界に入る。
居た堪れない気持ちのまま、ほぼ重力に頼る形で頭を下げて会釈をすれば、彼は無表情のまま軽く首を前に動かした。
『そう！Aちゃん！今日から俺の先輩！』
『あー、そりゃ災難やわ』
黒いTシャツに黒いバギーパンツ。
足元はサンダルというラフスタイルにも関わらず、ぬくっと立ち上がった彼はまるでモデルのような佇まい。
昨夜はビューティフルフェイスしか拝見していなかったけど、スタイルも恐ろしく抜群だ。
細身で長い手足、薄い胸板から伸びる男らしい首元、そこにちょこんと乗っかる小さな顔。
街中で見かけたら間違いなく振り返るだろう。
『大丈夫？まだダルそうやけど』
思わず無心で彼を眺めていたところに、高く澄んだ関西弁が、不思議なやわらかさを持って舞い降りた。
そうか。この人が、……候補5。
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マラム - 初めまして！とても素敵なストーリーで最後は少し涙ぐんでしまいました笑(*´∇｀)是非、続編も読んでみたいです。宜しくお願い致します！ (2022年2月14日 16時) (
レス) id: 4a6419f64c (このIDを非表示/違反報告)
非常口(プロフ) - 香奈さん» 香奈さん コメントありがとうございます。読んでくださり、嬉しいお言葉までくださって本当に愛感謝です(* . .)"今後も温かく見守っていただけたら幸いです。よろしくお願いします！ (2021年9月23日 13時) (レス) id: 2fe7817164 (このIDを非表示/違反報告)
香奈 - 初コメント失礼します。こちらのお話とっても面白くて夢中になって読ませていただきました！とっても読みやすかったです♪また更新を楽しみにしていますねヽ(´▽`)/ (2021年9月23日 8時) (携帯から) (レス) id: ab01dcd0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2021年9月22日 19時
