#35 pouring ページ35
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そんなある日のことだった。
たまたま街中で見つけた�盒兇�んの姿。
すぐに違和感を覚えたのは
彼の様子がなんだかいつもと違っていたから。
それも間違いなかったけれど
それよりも引っ掛かりを感じたのは
�盒兇�んの隣を歩く人の姿だった。
「あれって…」
あまりにも見慣れない
想像すらしたこともない二人の並びに戸惑いながらも
確かに目に映し出されていたのは
私のよく知るクラスメイトの女の子。
いつもよくしてくれる、隣の席の友達だった。
尤も、最近は言葉を交わすことは
ほとんどなくなってしまったけれど
彼女に関しては
��いじめられっ子に関わったら自分にも被害が及ぶ��
そんな類のものによりできた距離感だと思っていた。
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それにしても
なぜ彼女と�盒兇�んが一緒にいるのだろう。
私が知らなかっただけで
元々知り合いだったのかもしれないし
もしかしたら何らかの形で出逢って発展した
恋人同士なのかもしれない。
あれこれ考えたところで答えはわからないまま
無意識のうちに身を隠すようにその場を離れた。
胸にモヤモヤを抱えたまま
��次に�盒兇�んに会った時に聞けばいいか��
なんて一度は目を伏せたものの
どうしても胸につっかかる何か。
既に心は傷だらけになっていた私は
その痛みに慣れて麻痺してしまっていたのか
周りを見渡す気力さえ奪われてしまっていたのか
すぐ側で向けられていた刃に
気づくことができなかった。
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作者名：N | 作成日時：2020年9月16日 11時
