アメフリレインボウー2ー (ページ6)

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#6 nimbostratus ページ6

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傍から見れば

私たちはカップルに見えているのだろうか。

人混みの中を歩いていく中、行き交う家族や

友達のグループや、二人組の男女を眺めながら

ふとそんなことを思った。

たとえ隣に並んでいるのが誰であっても

よっぽどの違和感がない限り、人は

男女を見ればきっとなんの疑問も持たず

無意識に恋人同士だと認識するんだろう。

それは、今私の隣にいるのが髙橋くんでも

そう、たとえば、永瀬くんだとしても。

そのとき

どこを歩いていても賑やかなエリアの中で

一際盛り上がりを見せる特設ステージが目に入った。

女性客ばかりが集まっているみたいだけど

何が行われている場所なんだろう。

少し気になりながらも、人が多すぎて前の方まで

見ることのできないままその場を通り過ぎると

髙橋くんが「あっ！」と声を上げた。

『かき氷食べたい！めっちゃ美味しそうなのあんの』

今日も大きな瞳を輝かせながら

私が返事をするよりも前に掴まれた腕と

そのままキュッと握られた手。

驚きも何の抵抗もさせないまま、髙橋くんは

繋がれた手を引き寄せると足早に歩き出した。

「ちょっ…！」

彼は本当に世話を妬く側の人間なのかと思うほど

無邪気で、天真爛漫で、幼い子供みたい。

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一緒に食べたかき氷は髙橋くんの言う通りおいしくて

口に広がる冷たさと爽やかな甘酸っぱさは

沈んでいた気持ちを少し押し上げて

憂鬱に感じていた夏休みに色づけをしてくれた。

夏の暑さに溶けていく氷のように

心に浮かべていた蟠りが消えていく時間は

私の頭の中からいろんなことを忘れさせていた。

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