アメフリレインボウー2ー (ページ2)

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#2 nimbostratus ページ2

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時が過ぎるのって、こんなに早かったっけ？

気づいたら迎えていた夏休み前最後の登校日。

昨日も、一昨日も、そして今日も

私の前の席は空っぽだった。

夏休み期間に行われるテレビ局が絡んだ大きな仕事に

彼が携わっているという話だけは

どこかで耳にしていたものの

文化祭後、こんなにも彼が教室に現れない日が

続くとは思っていなかった。

あの日最後に見た彼の遠ざかっていく後ろ姿が

頭の中で何度も浮かんでは

胸を締め付けられるような思いに駆られ

あの柔らかい声の響きを聞くことのできない日々が

なんだか物足りないと感じてしまうくらいには

私は彼の領域に踏み込んでしまったのだと

お客さんがレジに持ってくるぱんだパンを目にしては

思い知らされているような気分になった。

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あの日以来、髙橋くんと被ることのなかったシフトも

勢いで夏休み初日からバイトを詰め込んだせいで

数日後に会うのは必然だった。

お店の冷蔵庫に貼ってあるシフト表を確認すれば

その日は明後日。

文化祭にせっかく来てくれたにも関わらず

嘘をついてまで半強制的に帰らせてしまったこと。

彼の忠告を受け止めなかったこと。

込み上げる罪悪感が、より一層気分を落としていく。

何より、あの時の、私の知る髙橋くんではない

彼の宿していた夜の海のように深く暗然たるオーラと

その闇に埋もれて見えない感情が

得体の知れない何かが、怖かった。

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