アメフリレインボウ (ページ41)

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#41 shower ーRenーページ41

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「え……？」

血の気が引くのを感じながら振り向いた先には

さっきまで探していたパンダ……いや、

探していたその子が

ペットボトル2本を両手に抱えて立っていた。

……じゃあ、このパンダは誰なん……？

俺がこの子やと思って話しかけてたこのパンダは……

この不可思議な状況に声も出なかった俺を

彼女は数秒目をぱちぱちとさせながら見つめたあと

突然思い立ったように持っていたペットボトルを

俺とパンダに1本ずつ持たせると

片方の手で俺の腕を掴み

もう片方の手でパンダの手を掴んで

半ば強引に引きずるように走り出した。

「ちょ、えっ、どこ行くん！？」

状況を把握できないまま

引っ張られるがまま彼女に着いていく。

俺と同じように隣で動きにくそうに

必死に足を動かしているパンダから

小さく声が漏れてきた気がした。

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彼女がやっと足を止めたのは人気のない体育館裏。

「何！？何がどうなってこうなってるん？」

呼吸を整えながら顔を上げた彼女は

なぜか訝しげな目を俺に向けた。

『何でいるの！？』

「休憩時間使って来たのよ。おったらあかんの？」

別に悪いことしてるつもりは全くないけど

彼女は困ったように深い溜め息をついた。

『一般のお客さんが永瀬くんがいないか探してるの！

さっきいた女子の集団の威圧感凄かったんだから！』

あー、なるほどな。

なるほどなるほど。

とりあえず手元にあったペットボトルの蓋を

開封してお茶を口に流し込んだ。

『ねぇ聞いてる？それ私のお茶だし』

「あ、飲む？」

『いらない！』

ここに連れてこられた理由はわかったけど

俺が知りたいのはパンダの案件で。

「ところで、こいつ誰なん？」

さっきから隣でぐったりしてるパンダに目を向けると

何やら嘆きながら頭を取ったパンダの中の顔が

ひょっこり現れた。

「あ～しんどい！急に何！？

着ぐるみで走らせるとかAちゃん鬼！」

……は？

誰を想像してた訳でもないけど

まさかの男やし、うちのクラスの奴でもないし

……こいつ、誰？

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