#find out.17 ページ17
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廉は、きっとわかってたんだ。
自分自身、気づいてた。
気づいていながら、気づかないフリをしてた。
どんなに時間を重ねても
お互いの想いが重なり合うことはないということに。
廉とちゃんと向き合おうとした気持ちに嘘はない。
いつだって傍で支えてくれる廉の隣で
ずっと笑っていられたらって思ってた。
それでも
それでも私の心の中から
彼への想いが消えることはなかった。
廉を傷つけたくなくて
自分が傷つくのが怖くて
ずっと目を逸らしてきたものに
きっと一番つらいはずの廉が向き合って
最後まで嘘をついてまで
私を守ろうとしてくれている。
「……廉、」
廉の痛いほど伝わる優しさに
私はなんて言葉を返したらいいのかわからないけれど
せめて自分の口で、自分の想いを伝えなきゃ。
「廉。……私ね、」
『なんも言わんでええから』
私の言葉を遮ったその声は
ほんの少し低く、この小さな空間に静かに響いた。
『ちゃんと、わかっとるから』
ずっと窓の外に向けられていた薄茶の瞳が
ゆっくりと私を映し出す。
『俺を誰やと思っとんの？』
声にならない、ぐちゃぐちゃの感情を
廉がどこまでわかってくれているかなんて
そんなものはわからないけれど
目の前で優しく微笑みながら私を見据える
すべてを受け止めて包み込んでくれるような
そのまっすぐで温かい眼差しに
溢れ出てくるものを抑えることはできなかった。
「れ…ん……」
『だぁぁぁ！！っから泣くなって』
廉の手が伸びてきて
細くて長い指が頬に触れると
次々と伝う雫を親指ですくいとっていく。
『ただでさえビミョーな顔がもっとビミョーやぞ』
うるさい。
いつもみたいにそう言い返したいのに
それさえも声にならないほど溢れ出るものを
廉はすべて受け止めて拭ってくれた。
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7日目の蝉(プロフ) - lemon09さん» lemon09さんコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！そう言ってくださる方がいて本当によかったです。読んでくださってありがとうございました！ (2020年12月10日 22時) (
レス) id: 8841233121 (このIDを非表示/違反報告)
lemon09(プロフ) - 急に終わってしまって寂しくなっちゃいました（笑）でも面白かったです、お疲れ様でした。 (2020年12月9日 4時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2020年3月12日 1時
