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#Search.46 ーRenーページ46

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「ほんまにそう思っとる？」

『え？』

「俺がおまえのこと心配してあいつにあんなこと

言ったと思っとるんやったら、買い被りすぎやわ」

何も言わずに立ち尽くしているAには

俺の言ってる意味もまだ理解できてないんだろう。

でも俺は今ここで、けじめをつけなきゃいけない。

「あいつのこと、好き？」

一瞬、戸惑った表情を浮かべたあと

コクリと頷いたその目に迷いはなくて

わかっていたはずの答えに思わず一度逸らした視線を

そんな自分に負けないように、再びAに向けた。

「じゃあ俺は？

……俺のことは、どう思っとんの？」

平野が好きだと言ったばかりのAから

俺の望む答えは返ってくるはずないのに

「好きなん？嫌いなん？」

なんと答えるべきか迷っているのか

俯いたまま何も言わないAに

焦りを感じて詰め寄る今の俺は、ほんまにださい。

でも、それでもいい。泥臭くていい。

『廉のことは好きだよ、でも──』

でも──

その続きは、聞かなくてもわかっとるから。

聞きたないから。

＂平野に対する好きとは違う＂

Aがその言葉を口にする前に

掴んだAの腕をそのまま引き寄せた。

「だったら、俺でええやん」

腕の中に収まった小さな体を、思いきり抱き締める。

Aが今どんな顔をしとるかはわからんけど

こんな武器用な俺の想いを

Aに伝えることはできただろうか。

俺の背中に熱が添えられることはないまま

そっと離した体。ゆっくりと重なった視線。

きっと伝えるには遅すぎたこの想いに

最後の祈りを込めて、その瞳をまっすぐに見据えた。

「俺じゃ、あかんの？」

俺ならAを泣かせたりも傷つけたりもせんのに。

ずっとそばで、守ったるのに。

俺を見つめ返すAの瞳が揺らぐことは無かった。

『ごめんね……』

静かに響いた音。そのたった一言が胸に沈んでいく。

同時に、A目から零れ落ちた涙。

Aなりの精一杯の答えなんだろう。

「なんでぇぇ？泣きたいのは俺なんやけど！」

ずっと閉じ込めてきた想い。

どれだけ想っていたとしても

それが大好きな相手に届かないことが

こんなにも辛いことだとは知らなかった。

胸の奥から込み上げてきたものに気づかれないよう

頭上に広がる澄んだ藍色の空を見上げるふりをして

そっと天を仰いだ。

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