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#Search.45 ーRenーページ45

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深まった夜の静寂の中

オレンジ色の街灯一つだけが淡い光を放つ

薄暗い公園のベンチに腰を下ろして

大きなため息をつく。

あのあと俺の後ろに着いてきていた玄樹と海人に

「今度埋め合わせする」とだけ言い残して

足早にその場をあとにした自分の言動が

あまりにも無様で、情けなかった。

「……だっさ」

自然と口からこぼれた言葉は

誰にも拾われることなく

自分の中に溶け込んで、チクリと胸を痛める。

感情のままに平野にぶつけた言葉。

あれだけ大口を叩いても俺は既にあいつに負けとって

Aの目にはあいつしか映っとらんことくらい

Aをずっと見てきた俺には嫌というほどわかる。

ずっと前から好きで、ずっと近くにおったのに

俺は一定の距離を保ったまま

Aに踏み込むことはなかった。

自分の想いを言葉にしてしまったら

それまでみたいに一緒にいられなくなる気がして

元には戻れなくなる気がして、怖かった。

何も言わなくても隣にいられるその状況に甘えて

心のどこかで安心しきってた。

これは、そんな俺への罰なんやろな。

気づいた時にはもう遅かった。

だけど

何もしないまま後悔して終わるくらいやったら
　
せめて鈍感なAに俺の気持ち気づかせて

あるかどうかもわからん僅かな可能性にかける。

その想いが届かんかったとしても

キッパリ振られた方が俺の中でけじめもつく。

そんな覚悟を胸に

いつもは近道のためだけに通るこの場所で

いつ帰ってくるかわからないその姿を待っていた。

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カタカタと小さな音が耳に届いたのは

それからすぐのことだった。

普段は聞き慣れないその足音に

咄嗟に頭に浮かんだのは

さっきまでの浴衣姿のA。

顔を上げると、公園の入り口に立っていたのは

今思い浮かべていたその姿だった。

ベンチから立ち上がった俺の向かいで

薄暗い空間の中で微かに揺れた瞳に、心が揺らぐ。

「なんや、思ったより早かったな。

……って、俺のせいか」

Aの目の前でAが好きな相手を

あんだけ責め立てられて、そりゃ気まずいよな。

改めて自分の言動に苦々しく笑う俺に

足元を確認しながらゆっくりと近づいてきたAが

首を横に振りながら、優しく笑った。

『もう時間も遅いし…

あれは廉の優しさだって、わかってるから』

こいつ、やっぱり何もわかっとらん。

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