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#Search.40 ーRenー ページ40

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急遽変更になった予定にも

おまけに騒がしいのがくっついてくることにも

承諾してくれた玄樹と適当にご飯を済ませてから

花火大会の開催場所である河川敷の方へと向かう。






「あいつどこにいんの?」



海「わかんない!勘で見つかるでしょ!」






Aが男二人と花火大会なんて

訳わからんこと海人が言い出すから来たけど

今はシンプルにAの浴衣姿が見たい。






玄「どんな子なの?」






Aを知らない玄樹が

不意に俺をちらっと見上げるから

おそらくニヤついていた顔を慌てて引っ込める。






「のろまで鈍感でマヌケのどんくさちゃん」



海「れん兄言いすぎ」



「あながち間違ってないやろ」






少し遠くの方にみえる屋台の灯りを目印に

ちょうど日が沈み始めて薄暗くなった道を

なんとなく心を浮つかせながら歩いていると

突然、海人が声をあげた。






海「ねぇまって。あれ、ねーちゃんじゃない?」






口に手をあてて目を見開いた海人の

視線を辿っていくと、その先で

浴衣姿のAが足早に歩いてくるのが見えた。





遠目でも可愛い。





そんな呑気にうつつを抜かせたのも一瞬で

すぐに違和感を覚えた。






Aの横には男が二人。

メンツは聞いてはいたけど

そこにいる二人は、どうみても友達じゃない。






明らかに変なやつに絡まれとるその姿に

俺だけじゃなく、隣に立つ弟の目も鋭く光った。






「いくぞ、弟」



海「うん」



玄「俺、怖いから隠れてるね」






それぞれに合図して、足早に近づいていく。





すぐに距離が縮まると同時に

男の一人が、嫌がるAの肩を掴んだ瞬間

俺の怒りはピークに達した。






「嫌がっとるやん。その辺にしとけや」






こいつらがめちゃくちゃ強かったらと思うと

ほんまはバリ怖いけど、Aの為やし

俺のできる限りのいかつい表情で

思いきり睨みつけた。





黙ったまま動かんとこをみると

どうやら俺の渾身のガン飛ばしは効いてるらしい。






「さっさとそこから離れんと、ガチでしばくで」






Aに触ったってだけでも胸糞悪いのに

いつまでも隣に立っとるそいつらに

目で殺す勢いで近づいていくと

どんどん後ずさっていく。





そのまま失せろや。





精一杯の恨みを込めた眼差しを向けると

俺が目の前に辿り着く前に

方向を変えて走り去っていったそいつらを

見えなくなるまで睨み続けた。





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megminmg1225(プロフ) - 時々名前設定が未来ちゃんになっているのを、直してくれると嬉しいです。これからも応援してます^^ (2019年12月13日 0時) (レス) id: 32c6f54378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:N | 作成日時:2019年11月26日 22時

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