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運んできた机と彼女が持ってくれた椅子を並べて

新しくできた自分の席に座る。

同じように前に座った彼女の肩をトントンと叩いて

振り返ったその横顔にお礼をいうと

彼女は何も言わずに前に向き直った。

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なんとなく素っ気ない彼女の態度に

少し傷つきながらも迎えた休み時間。

物珍しそうに話しかけてくる

たくさんのクラスメイトに囲まれて

次々と投げかけられる質問に答えていると

彼女がふと席をを立って教室から出ていった。

それと同時に、

「平野くーん！てか、紫耀でいい？」

いかにもクラスのお調子者です、みたいな

チャラめの男子が

人を掻き分けて俺の机の前まできた。

「俺、神宮寺勇太！みんなジンとか呼んでるから

まぁ適当に呼んで！」

すんげーアイドルスマイル向けてきたそいつに

一瞬驚いたものの、そんなことより

なんか彼女のことが気になって

気づいたらそのアイドルスマイルに

『ねぇ、髙橋さんって、人見知りなのかな？』

なんて聞いていた。

神「A？そうでもないと思うけど。

どっちかというと明るいし、普通に話すし

よく笑うし、かわいいし

実は俺の中で密かに推してるんだよね。

まぁ女の子はみんなかわいいけどね～」

やっぱチャラいなこいつ。

神「あ、あとあいつ

最初俺がいきなり下の名前で呼んだら

スクールバックで容赦なくバッコーン

してきたからね？全然人見知りじゃねぇわ！」

そんでめちゃくちゃ喋るじゃん。

でもジンの言う通りだとすると

彼女はなんで俺にあんなに素っ気ないんだろう。

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放課後、

教室を出た彼女を追いかけて

下駄箱で靴を履き替えている彼女に

『Aちゃん！』

スクールバックを喰らってもいい覚悟で

思い切って名前で呼んでみた。

振り向いた彼女が俺に攻撃してくることはなく

あのあと

必死に考えて辿り着いた疑問をぶつけてみる。

『Aちゃんってさ、俺のこと嫌い？』

キョトンとした彼女が

不思議そうに俺をみつめていた。

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