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『はぁぁぁ！？なにそれ？意味わからんやん！』

その日の夜、平野くんのことを廉に電話で伝えると

いつもの甲高い関西弁が耳元で響いた。

「んー、なんかよくわからないけど

元に戻ったからよかっ…」

『なんもよくないやろ！なんなんそいつ！？

気まぐれか？ひどない？？』

電話の向こうで

目を丸くした必死な表情の廉の顔が目に浮かぶ。

「いいの！もう元気になったし！ありがとね、廉」

あれだけ泣いていた私に

寄り添って話を聞いてくれた廉に

改めてお礼を伝えると

しばらく納得してない様子で

うーん、と唸っていた廉が

吹っ切れたように口を開いた。

『まぁAがそう言うなら、べつにええわ。

俺は納得いかんけどな！！

あ、おまえ今度なんか奢れよ？』

「は！？なんで！」

駆けつけてくれたことは感謝してる。

そばにいてくれたことも

そっと抱きしめてくれたことも……

『俺のシャツに鼻水つけたやろ！弁償や弁償！』

廉の、こういうところ。

一瞬、奢ってあげてもいいかなって思ったのに。

「洗濯すれば落ちるじゃん！

しかも洗濯するのお母さんじゃん！」

『黙れや！鼻水つけたんは事実やろ！』

こういうガキっぽいところが

だけどその裏に隠れた優しさが

昔から変わってなくて、廉らしくて

やっぱり廉がいてくれてよかったって

相変わらずギャーギャーうるさい

廉の声を聞きながら、そう思った。

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