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#memory.25 ページ25

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もしかしたら

廉は私が知らない答えを持っているかもしれない。

「廉はさ、もし好きな子がいて

その子も自分のことが好きだったら、どうする？」

『は！？なんやいきなり。

そんなん、お互い好きなんやったら付き合うやろ』

あたりまえのような答えが返ってきて

また振り出しに戻る。

『そういや、この前Aに絡んでた子ら、

あいつは誰とも付き合わないとかなんとか

言ってたよな？告るだけ告っておわりってこと？』

だからどうにもなっとらんの？

Aはそいつに気持ち伝えたん？

次々と投げかけられる問いに、この数日間

何度も頭の中で繰り返されていた光景が蘇る。

その瞬間、自分の中で溜め込んでいたものが

ぶわっと溢れだしてきて

それはあっという間に涙となって零れ落ちた。

『A？どした？』

返事をしない私に

廉の優しくやわらかい声が、耳元で静かに響く。

それでもなにも言葉にできなくて

止まることなく溢れ出る涙を

ただ拭うことしかできなかった。

『すぐ行くから、ちょっと待っとって』

私が泣いていることに気づいたらしい廉が

慌てたようにそう言うと

繋がれたままの電話の向こうで

少し騒がしい物音が聞こえた。

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ほんの数分

いや、数十秒だったかもしれない。

『っ…着いたで』

再び電話越しに聞こえたその声は

さっきとは違って、息が弾んでいた。

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