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#memory.21 ページ21
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そんな平野くんを見るのは初めてだった。
優しくて、かっこよくて
いつも眩しすぎるほどの笑顔をみせる彼から
光を奪ってしまうようなほどのことを
私は訊いてしまったのだろうか。
胸が締めつけられるような気持ちをグッと堪えて
必死に言葉を紡ぐ。
「なんか前に聞いたことあって、それで」
『それ今関係ある？』
平野くんが好きで、ただ確かめたかった。
自分勝手な想いだけで
彼がこの時どんな気持ちでいたかなんて
全然知らなかった。
「ごめん…」
あの時、素直に受け入れればよかったんだろうか。
自分も��平野くんが好き��だと伝えていれば
なにか違ってたんだろうか。
「私は、」
『ごめん、今日は帰るね』
遮られた言葉は彼に届くことのないまま
去っていくその後ろ姿を
ただみつめることしかできなかった。
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作者名：N | 作成日時：2019年11月15日 23時
