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#memory.15 ページ15

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『そういやさぁ』

家の手前まできたあたりで

後ろから小走りで追いかけてきていた廉が

再び横に並んだ。

『＂しょうくん＂は誰とも付き合わない、

…らしいで？』

「は！？」

さっき公園で吐き捨てられた言葉を

聞いていたらしい廉が

何かを探るような目で見てくる。

「そ、それ関係ないし！

べつに、全然好きとかじゃないし！」

……しまった。

『ふぅ～ん、好きなんや？』

思わず漏らした言葉に

ニヤリと口角を上げて笑う廉。

「ちっ、違うから！

平野くんはめっちゃモテるんだよ！？

みんなのアイドル！みたいな感じ！？

だから、好きとか、ないないない！」

全然言い訳にもなっていない言葉を

ダラダラと並べる私に、

『はいはいはい、わかったわかった。

まぁせいぜい、こわぁーい女子達から

恨み買わんように気ぃつけるんやな。

お前どんくさいねんから』

そう言って、頭の上にポン、と手のひらを乗せて

顔を覗き込んできた廉の近さに

不覚にもドキッとした。

「……そういうの、誰にでもやらない方がいいよ。

だから呼び出し喰らうんじゃん。」

『は！？やっとらんわ！

こんなことやらんくても呼び出し喰らっとるわ！

歩いてるだけでモテてまうんやわ、あほ！』

「うわ、むかつくぅ」

廉なら起こり得る、漫画みたいな話が

なんだか気に食わなくて

わざとらしく目を細め、哀れみの目を向ける。

『なんや、嫉妬か？』

「はぁ？そんなわけないじゃん」

ちょうど着いた家の前で

二人でギャーギャー言い合っていると

玄関の扉が、ガチャっと開いた。

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