２９彼の思い ページ9
「これ・・・食べきれる？」
改めてテーブルに並んだ料理を見て
びっくり・・・
雅「注文は1度に済ませたかったの。Aさんとゆっくり話したいからさ」
「そっか・・・私も話したいことある。」
雅「でしょ。じゃ食べよ」
また、首をちょっ傾げて相葉スマイルでそう言った。
「この前はゴメンネ。びっくりしたよね。」
雅「うん。まさかああいう・・・・・理由とは思わなかった」
私は胸に手を当てて
「聞いてもらえて、良かった。ちょっとここがスッキリしたの。
今まで誰も気を使ってその話題は避けていたし、
私も話さないようにしてたから・・・」
雅「泣いたら、カレシさんへの思い変わった？」
私は首を横に振った
「ダイキへの思いはまだ、溢れてるの・・・
上手く言えないけど。
それまでは亡くなった事の悲しい思いだけだったけど、
今は楽しかった事、嬉しかった事、ダイキとの時間・・・が溢れてる」
雅「それってさ。悲しみから立ち直ってダイキさん？はじめて名前言ったね・・・
ダイキさんの事が思い出に変わっていくって事じゃない？」
「うん。そうかも・・・
でもダイキのこと・・・
好きなの・・・」
雅「好きか・・・」
「ごめんね。っていうか昨日のあれは・・・
あんな風に抱きしめられたらね・・・
慰めてくれただけ？」
勇気をだして聞いてみた。
ここが聞くタイミングだったか微妙だけど聞いちゃった。
雅「オレさ。Aさんから結婚するって聞いた日、
カノジョと別れてAさんに告白するつもりだったの。」
「えっ・・・」
雅「Aさんと知り合う前から上手くいってなくて、
カノジョに会いたいって言われても
Aさんと一緒にいる時間の方が楽しかったから断り続けてさ。。。
あの日オレの気持ちが決まったから会って話して別れ来たたんだ。」
「で・・・今は？」
雅「Aさん以上の人には出会えなくて・・・今もひとり。」
「じゃなんで私が何度か会おうってメールした時、断ったの？」
雅「結婚してると思ってたもん。
Aさんの幸せを壊したくなかったから会わないって決めてたの。」
「私・・・ごめんね・・・ごめんね」
また、泣いちゃうよ。
雅「また泣くーーー。」
相葉くんはこの前と同じように大きな手で私の涙を拭って
雅「今日は飲んじゃお」
って笑顔で言った。
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作者名：moco
| 作成日時：2013年10月12日 23時
