２７乾杯 ページ7
お店に入るとスタッフが寄ってきて
御予約の方ですよね。お連れ様がお待ちなのでどうぞ…
と奥の個室を案内された。
店員さんがノックをすると
「どうぞ」
「お連れ様がいらっしゃいました。」
ドアを開けて
1歩、部屋に入ると
懐かしいタバコの臭いがして
サラサラの栗色の髪が見えた
黒い七分袖のＶネックのTシャツにゆるめのデニム姿の相葉くんが足を組んで座っていた…
かっこいい…
暗い照明のせいなのか
私の知っているかわいい相葉くんではなかった。
「こんばんは」
雅「こんばんは。今日は来てくれてありがとう。」
相葉くんは目尻にクシャとシワを寄せていつもの相葉スマイルでそう言いました。
私は見とれちゃって…
雅「座りなよ」
「そだね。相葉くんがスゴイ大人っぽくて見とれちゃった」
私は正直に言って、羽織っていたジャケットを脱いで
席に座った。
雅「オレもビックリした。Aさんさ、すげー大人っぽくて…ジャケット脱いだらヤバイ…」
「えっ!ジャケット着てた方がいい？？変かな？？」
雅「変とかじゃなくて、すげー似合ってるなって事」
やっぱ若作りしちゃったかなぁ
雅「とりあえず乾杯しよ。何飲む？オレはビールにしよっかなぁ」
メニューをテーブルに広げて二人で見ると
二人の距離がすごく近くてドキドキした。
頬杖をつきながらメニューを見る伏し目がちな姿に
また、ドキッとした。
まつ毛長いんだ…
私より長そ…
雅「どした？決まった？」
「うーーん。シャンパンにしよっかな」
雅「食べ物は適当に決めちゃっていい？
確か好き嫌い無かったよね。」
「うん。お任せする」
相葉くんってこんな風に女の子をエスコートするんだ…
大人じゃん。
あの頃も私が世話を焼きすぎただけで本当の彼は男らしかったのかも…
ちゃんと相葉くんを見てなかったんだね
お料理とドリンクが運ばれてきて、
テーブルがいっぱいになった。
「あれ？ビールじゃないの？」
雅「Aさんに合わせた。さっ乾杯しよ」
乾杯
グラスの音が
二人の恋のはじまりの合図のように聞こえた
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作者名：moco
| 作成日時：2013年10月12日 23時
