雨上がり、君とランデヴー。 (ページ5)

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珍しく講義が長引いて、

食堂に来ればもちろん席はほとんど埋まってた。

『どうしよう』

もう買っちゃったし、

買う前に確認すればよかったよ。

「Aちゃん！」

トレーを持ってウロウロしていれば

急に男の人の声がわたしの名前を呼ぶ。

でも大学でわたしのことを名前で呼ぶ男子なんていない

は、ず？

『無理無理無理無理』

田中さんと

『松村さん、』

声の方を向けばビッグスマイルでこちらに手を振る田中さんと

静かに座ってる松村さんが居た。

「ここ座りなよ！」

田中さんが松村さんの横の席を指差して来る。

『無理無理無理無理！無理！』

そう首を振ればニヤニヤしながら近づいてきて

「はい、確保～」

ってわたしの肩を押しながら

松村さんの隣に連れて行こうとするから

『ちょ、田中さん！』

「ん？」

『田中さんの隣では、』

「だめだね。

Aちゃんが好きなのは北斗でしょ？

いいじゃん、攻めていかないと」

『完全に楽しんでますよね』

「そりゃあ楽しいよね」

いやもうわかるよ、表情から滲み出てるもん。

わたしが先に近づけば

松村さんは席に置いてた荷物を取って

わたしに席を譲ってくれる。

『すみません』

「いや、」

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