決壊�� ページ22
ひかりside
「みんな、心配してる。
ひかりがいつも通りすぎて」
演技のワークショップ後、寮で勉強しようかなって
話してたのに寮に着いてから
「部屋に行っていい？」って聞いてきたもな。
なんとなく話したいことあるんだろうなって
分かった。
その内容になんとなく心当たりがあった。
みんな、優しいから。
お母さん亡くしてから私の事、
凄い心配してるの分かってた。
私の不安定な心、分かっているのか
傍にいてくれて笑わしてくれたり、
普段より多く膝にのっけてくれたり、
部屋にたくさん来てくれたり、
遊びに連れ出してくれた。
みんなに感謝ばっかりだった。
だからこそ、失いたくない。
そう思う気持ちがどんどん強くなっていった。
不安定な芸能界。
この世界に入る前から、突然いなくなる芸能人。
解散する音楽グループなど見てきた。
最初は小さな歪みだったはずなのに
手が付けられないほど大きいひび割れになっていて、
空中分解していつしか世界から消えていく。
その運命が誰にいつ降りかかるか分からない。
輝いて見えるのこの世界だけれども実は儚くて
怖い世界だと、この世界に入って強く思った。
だからこそボロは出せない。
迷惑なんかかけられない。
自分のせいで消える運命の矢を呼び寄せるのは
耐えられない。
そう思った。
「うちら頼りない？」そんなことない
「最年少でしょ？」だからこそ足ひっぱれない
「仲間でしょう？」迷惑かけたくない
「なんで笑顔なの？なんでいつも通りなの？
お母さん亡くして辛くないの？そんな訳ないよね？
じゃ、なんで、なんで、泣かないの？
頼ってくれないの？」
今にも泣きそうな表情で、叫ぶようにそう言う
もながいた。
「もっと、もっと頼ってよ。
大丈夫だよ！全部受けとめてあげるから」
ポロポロと、もなの大きくて綺麗な瞳から
こぼれる涙をみて、もう限界だった。
大好きなメンバーを泣かせてる。
それだけで辛くて悲しくて
自分が思ってたことがバーって頭の中を駆け巡って
消えて、
そしたら涙が溢れてきた。
ギューってもなに抱きしめられて
「大丈夫。
こうしたら私見えないから。見てないから。
思いっきり泣きな。」
小さい声でそう言われて
心に痛いほどの優しさが突き刺さって
私の心を覆ってた堤防が決壊したように思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もっち(プロフ) - 梨乃さん、ご指摘とコメントありがとうございます。励みになります。頑張ります。 (2019年3月1日 22時) (
レス) id: 270a4fc628 (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - てちの出身は愛知県ですよ〜。楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2019年3月1日 22時) (レス) id: c5f8136dfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もっち | 作成日時：2019年2月22日 21時
