決壊�� ページ21
もなside
「おはよ、ひかり」
神「おはよ」
この日は朝から演技のワークショップだった。
ちょっと前に、メンバー全員主演のドラマを
やらせてもらえることを聞いた。
初めてやる演技。今日が初回だからか
朝から緊張気味のひかりだった。
みんなで決めたことがある。ひかりのこと。
みんな、ひかりのことが心配だった。
お母さん、亡くして辛いはずなのに、
そんなとこ一切見せない。笑顔でいつもみたいに
明るく振舞って、
だけどみんなのこと柔らかく拒絶して
壁を自ら作ってる。
壊そうとしても逃げて、最後の最後で、
その壁が壊れない。
"ドラマをやらせてもらえる"ってこともあって、
このタイミングでしっかり、ケジメつけようって
メンバーで話して、
今夜私が代表としてひかりと話す。
向かい合ってちゃんと話そってそうなった。
レッスン後、仕事がこの後ある者は
マネージャーに連れられ、ない者は解散となった。
「ひかり、この後どうするの？」
神「うーん、やること無いから寮で勉強するかな」
「じゃ、一緒に帰ろ」
内心、どっか行くとか言わないで一安心した。
寮組で帰る者もマネージャーに送って貰う。
なにも話さずただ隣で車に乗り、寮に帰る。
いつもはムダに話したりしなくても気にならない
間柄のひかりだけども、緊張しているのか、
しっくり来なくて、この時間が少し苦しかった。
寮につきマネージャーにお礼言って車を降りて、
みんな寮に入っていく。
「ね、ひかり、部屋行っていい？」
神「うん。良いよ」
一瞬、身構えたような強ばった表情したけれど、
その表情は笑顔に消えた。
ひかりに着いていくように歩き、部屋に入る。
神「少し疲れたね」
「うん。でも楽しかった」
神「そうだね」
ソファに座り、何気なくクッションを抱きしめる。
なんてアプローチすべきかと考えていると、
少し困ったような表情でひかりが
お茶持ってやってきた。
神「なんか、もな、いつもと違うね」
ってそう言った。見透かされてたか。
心を決めて話し出す。
「ひかり、最近どう？」
神「どうって？」
「お母さんのこと、落ち着いた？」
神「お葬式も済んだし、もういつも通りかな」
「・・・心の方は？」
神「・・・。」
俯いて、じっと自分が持ってきた
お茶の水面を見ているようだった。
「みんな、心配してる。
ひかりが、いつも通りすぎて」
ひかりは、じっと俯いたままだった。
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もっち(プロフ) - 梨乃さん、ご指摘とコメントありがとうございます。励みになります。頑張ります。 (2019年3月1日 22時) (
レス) id: 270a4fc628 (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - てちの出身は愛知県ですよ〜。楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2019年3月1日 22時) (レス) id: c5f8136dfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっち | 作成日時：2019年2月22日 21時
