20 ページ21
轟焦凍side
「轟君、おはよう」
そう、
いつも笑顔で挨拶してくれるのは、
同じクラスの真澄Aだった。
明るく雰囲気も良く、いつも周りには友達がいるような奴だった。
身体能力も優れていてヒーローへの志は熱く
その為には努力も惜しまなかった。
・
・
・
1年体育祭。
緑谷との対戦せ俺は親父の個性を使った。
観戦ベンチへ行く途中、真澄と会った。
「轟君、お疲れ様。決勝進出、おめでと」
『……あぁ』
「"左"、
カッコイイじゃん」
そういってにこっと笑った。
なんの含みもない、ただ素直なその言葉が
俺の心にすっと入ってきた。
・
それ以降、真澄とは以前よりよく話すようになった。
・
「轟君、職場体験お父さんのところにしたんだって?」
『…ああ。得られるものは得てこようと思う』
「うんうん。それでこそ、轟君だよねっ」
そうおどけて言う真澄に笑いが込み上げる。
「あっ!轟君、今私の顔みて笑ったでしょ」
『いや、別に。笑ってねぇ』
「絶対笑った」
『笑ってねぇ』
俺はいつからか、
そんなふうに真澄と話すのが楽しいと感じるようになっていた。
・
「あのさ、轟君。ちょっと言いたいことがあるんだけど、いいかな?」
それは、突然のことだった。
「私、轟君のこと好き」
そういった彼女は少し震えていた。
『…俺もだ』
付き合うまでにそんなに時間はかからなかった。
・
今まで恋愛に興味がなかった俺は、
駆け引きなどはもちろんできなかったしする意味もわからなかった。
そして
ほとんど、Aの積極性に任せっきりでいた。
・
「轟君、これからはさ、Aって呼んでよ」
『わかった。じゃあ俺も焦凍でいい』
・
Aの家に言った時。
「私の部屋、ベッド1個しかないんだよね」
『俺は床で寝るから問題ない』
「いやいや天下の轟様に床で寝かせるわけには…」
『いや俺は構わねぇ』
「…。じゃあ、一緒に寝る?」
・
いつも元気で
悩みなど無さそうなAだが(失礼)
1度だけ、弱音を吐いたことがあった。
「こんなこと言うと悪いかもしれないけどね、正直言うと私、
焦凍がずっと羨ましかった。
派手で有能な個性が2つもあるのに、
なんで両方使わないんだろうって半ば怒りさえ覚えてたの。
私の個性は攻撃力に長けてない。
私はこんなでヒーロー目指していいのかなって、時々思うんだ」
・
400人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エレン - うぇぇぇぇーんがなじいよー(かなしいよー) (2019年1月6日 21時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
エレン - 最初あたしもショートした (2019年1月6日 20時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
嵯浰儺 - 勝手に目から涙が出ました (2018年12月16日 17時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬじゅん。(プロフ) - あほさん» ありがとうございます!轟君、良いですよね!!体調まで気にかけて下さりありがとうございます頑張ります! (2018年8月28日 23時) (レス) id: e287121d51 (このIDを非表示/違反報告)
いぬじゅん。(プロフ) - 歩く中二病さん» コメントありがとうございます∩(´;ヮ;`)∩皆さんとても察しが良いですね…(笑) (2018年8月28日 23時) (レス) id: e287121d51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いぬじゅん | 作成日時:2018年8月18日 17時