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「「お願いします!」」
合宿2日目の朝。今日も合同練習が始まった。
午前は烏野と練習し、午後は青葉城西高校を含めて練習試合をする日程になっている。
『…大王様、気になるな』
「…?どうかしたか?」
『あ、いえ、なんでもないです』
夜久さんの言葉に、自分の考え事が口に出ていたことに気がついた。
近くにいた研磨さんや黒尾さんも不思議そうにこちらを見ていた。
「大王様?」
『はい、昨日烏野の日向君から聞いたんですけど、午後から来る青葉城西にすごい人が来るらしくて…大王様と呼ばれてるみたいです』
「へえ。大王様ねえ」
黒尾さんが口を挟む。
「まあとりあえず、俺たちのできることをやるしかないな!」
『そうですね。今日の試合も頑張ってください』
「おう!」
夜久さんの言葉に、私も自分にできることを頑張ろうと気を引き締めた。
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お昼。午前練習が終わり、お昼休憩に入った。
音駒メンバーのために買っておいたおにぎりや飲み物をみんなに配る。
『あれ。』
配りながら、自分の分が足りないことに気づく。
『すみません。自分の分を買い忘れたので、少し近くのコンビニに行ってきます』
監督に告げ、急いで外に出た。
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「いらっしゃいませー」
烏野高校から1番近いコンビニ。
走ったので、息途切れながら入店した私に店員さんは少し驚いていた。
おにぎりと飲み物を素早く手に取り、レジに並んだ。
「…あ。」
『…あ、先どうぞ』
同じタイミングでレジに並ぶ人がいた。白と青緑の爽やかなジャージ。
あれ、このジャージ、見たことあるな。
「…すみません」
その人は、頭を下げながらレジ前に出た。
背中には青葉城西と書いてあった。
恐らくバレー部で、ちょっとそわそわする。
青葉城西の人の会計が終わり、自分の順番になった。
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「おーい、金田一、国見ちゃん!置いてっちゃうよー!」
会計が終わり外に出ると、コンビニから少し離れたところから一際大きな声が聞こえた。青葉城西の人達だ。
「今行きます!」
コンビニの出口付近には、さっきのレジにいた人ともう1人とんがり頭の人がいて、その人が大きな声で返事をした。
烏野高校に行く前に、コンビニに寄ったみたいだ。
歩く先が同じになってしまった。
急いで帰りたいのだけれど、前には青葉城西の集団がいる。
急ぎ足で歩くので、すぐに追いついてしまった。
抜かしにくい。
私は、気まずさを感じながらも集団のうちの一人かのように歩いていった。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月23日 21時) (レス) @page47 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ。(プロフ) - みくさん» はじめまして!コメントありがとうございます☺️実は私も最推しが稲荷崎なので今後登場させたいなと思っていたので嬉しいです!頑張りますので楽しみにしていてください!💪 (1月4日 0時) (レス) id: 78842f5f3b (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - コメント失礼します。めっちゃおもしろいです!あと個人的に北さんが好きなので絡ませてほしいです。いや全然絡ませなくても大丈夫なんですけど見てみたいなと思ったので。すみません口出しなんてして💦 (1月3日 23時) (レス) @page40 id: 2da07fc9ec (このIDを非表示/違反報告)
るぴ - イラストもお話も好き過ぎます!更新頑張ってください!応援してます…!! (2022年8月7日 5時) (レス) @page32 id: 6199d7d0b2 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - く・・・!なんだこの神作品は!?更新頑張ってください (2022年8月5日 4時) (レス) @page32 id: 4b5b41fa15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いぬ。 | 作成日時:2018年9月17日 22時