喋らない子、嫌いなんだよね。【青葉城西】2nd

静か32% ページ3

・









・









「なにそれ、」
と笑うこの男はそう、



私が普通に会話ができる男子のうちの1人、黒尾鉄朗である。









『いいじゃん、どうせヒマでしょ』







「なにそれ侵害、実に侵害!

この俺を常に暇を持て余したうすぼらけの馬鹿野郎だなんて…」



『そこまで言ってない』









「で、用件は何？」









『……あのさ』









『……私、マネージャーやることになった』









鉄朗、なんて言うかな。









こういうとき、いつもなだかんだで話聞いてくれて、頼りになる人だ。









「え？なに？メジャー？」








…。









「ぶっひゃひゃひゃ

ぇ、何お前野球選手にでもなったの？」









『…。』









…。









「……。

げふん。あ、ああ、マネージャーね。」









「いいんじゃない。で、なんのマネやんの？もしかして、バレーとかだったり？」









『そうだよ、バレー』









「え？!まじで？!へぇ!いいんじゃね？」









『…………そうかな？』









「なに、お前不安なの？」









『…………そりゃあ…

だって…上手くやっていけるかなって…』









ただ面識の無い部活のマネを始めるってのとはまた訳が違う。









「大丈夫だろ。





…まあお前は抱え込み過ぎるとこもあるからな。







もっと自分を出してもいいんじゃね。


俺と話す時みたいにさ。






嫌われるかもとかそういうことは嫌われてから考えろってね。」









『うん…』









それがすんなり出来たら苦労しないんだけどね…。＿＿＿＿









『ありがとう。』









「おう。またなんかあったら連絡しろよ。きいてやるから」




『ありがと。じゃあ、おやすみ。』




「ん。」



・









・









・









＿＿＿＿でも









’’もっと自分をだしてもいいんじゃね’’









そんな鉄郎の言葉に









心がふっと軽くなったような気がした。









*

静か33%→←静か31%　

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す