空、飛ぶ (ページ31)

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今日は高校時代の友達の結婚式だ

いつもは面倒くさくて軽い化粧しかしてないけど
特別な今日は気合いを入れた

『ヤバい、もう出なきゃ。キナコ行ってきます』

「バイバ～イ」

部屋を出て鍵を閉めていると

「あれ、おはようございます。
なんか…今日雰囲気違うね」

今帰ってきたのか
紫耀くんが話しかけてきた

『おはよう、これから友達の結婚式に行くの。
ちょっと気合い入れすぎたかな、あはは…
紫耀くんは仕事終わり？お疲れさまでした』

すっごいガン見されてるから
どこか変なのかな？と不安になって苦笑い

「あ、うん。今日はもう仕事終わりなんだ。
あれだね、いつものAさんも
ナチュラルメイクで綺麗だけど
今日のAさんは特別綺麗だね」

へへへと可愛い笑顔でそう言う紫耀くんに
顔が熱くなる

『えっ、あ、ああありがとうっ！
えっと時間だからもういくねっ』

バイバイと交わしてエレベーターに飛び込む

ズルい、ズルいズルい

そんな事言われたら
舞い上がらない訳ないじゃん！

心臓がバクバクしてる

きっと顔も赤い

動揺する自分が少し、悔しい

あれは社交辞令だと
自分に言い聞かせて深呼吸をした

*